莫高窟45窟 甘粛省石窟めぐり⑬

 いよいよ、特別窟の登場である。特別窟は日本人ぼったくりの説もあるが、今のところ、見せてもらえるだけでもありがたいとしたものだろう。ただし、仏像に興味が薄く、単に莫高窟見学だけが目的ならば、特別窟を見る必要はない。もし、中国人観光客が、日本人観光客なみにリッチになり、目が肥えて、特別窟に殺到するような状態になれば、おそらく、特別窟は、拝観料がヒトケタ上がるか、拝観禁止かのどちらかになると思われる。45窟は、盛唐の保存状態の良い窟である。ここには、大スターの美菩薩や阿難などがいるので、どうしてもそちらに目を奪われがちになるが、やはり最初に拝観すべきは、釈迦如来だろう。釈迦を中心に、2弟子2菩薩2天王の七尊の塑像群ということなる。釈迦は、金剛座にしっかりと坐っている、というのが印象的だった。後背の立派さ美しさにも、目を見張るものがあった。青や緑の中に、金箔が映えていた。次に目を奪われたのは、阿難と迦葉である。迦葉はあばら骨が見えてはいるが、良くあるような、老人の姿ではなかった。阿難は実にハンサムである。個人的には、隣の美観音よりも人間味があって、かっこよかった。この窟では、一番の◎だった。さて、美菩薩である。左右のどちらの菩薩様が、より美しいのだろうか。菩薩様は、上半身裸で、飾りを付けておられる。S字に腰をくねらせて、視線は下を向いている。腰のひねりは、やや右側(迦葉の隣)の菩薩様の方が、よりひねり、お腹もポッコリしていて、より女性らしく感じる。
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それに比べると、左側(阿難の隣)の菩薩様は、やや中性っぽいかもしれない。よって、軍配は、右側の菩薩様だろうか。天王は指の表現が素晴らしく、鎧の袖の部分が、龍になっているのが、面白かった。これらの塑像には、金箔の跡が見られて、これも良かった。壁画の観音菩薩の化仏の表現がすごく、化仏にひげまで描きこまれていた。この菩薩は、右手に柳、左手に花瓶を持ってるので、観音菩薩と、特定できるとのことだった。地蔵菩薩様もいて、こちらは右手に杖、左手に宝珠を持っていた。南壁には、観音経変が描かれ、上2段に観音様の三十三のスーパー変身(三十三応現身)ぶりが描かれていて、別格に面白かった。下3段は、諸難救済の図で、観音様をお祈りすると、刀で切られようとして、刀がポキポキポキと折れる様子が描かれていた。また、牢屋に入れられても、容易に脱出できる様子も描かれていた。
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他では、男女の産み分けもお願いできるらしい。山賊に襲われている商人は、少数民族の商人だ、ということだった。もちろん、この商人も助かることになっている。そして、この願いを聞いてくれる観音様が、お顔も飾りもとても美しい観音様だった。北壁は、阿弥陀経変(正しくは、無量寿経変かも)には阿弥陀如来様がいて、ここに描かれている楼閣の鮪の形が、奈良東大寺の、鮪と同じ形だった。天井は、伏斗式で、蓮のデザインになっていた。壁画の下部は損なわれていて、洪水の痕跡とのこと。よくぞ、これらの塑像が残ったものである。観音様のおぼしめしか。

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