『管仲』宮城谷昌光著

 管鮑の交わり、という言葉は、言葉として知ってはいたのだが、不覚にも管仲については、ほとんど知らなかったので、恥ずかしい限りだ。現在、総選挙が終わり、新しい宰相が決まろうというタイミングだが、管仲は、歴史上最高の宰相の一人らしい。世に有名な宰相は、諸葛孔明だが、この孔明が尊敬した人物でもあるとのこと。㊤巻は比較的ゆっくりと読んでいたが、㊦巻になったら、一日で読んでしまった。日本でいえば、縄文時代に違いない紀元前の時代に、これだけの歴史があり、これだけの記録が残り、これだけの政治が行われた、というのは驚異的である。管仲の政治は、「貴族のためではなく、庶民のための政治である」というのだが、何か、歴史が逆行しているのではないか、と思うほどだ。
 直接に関係はないが、この本で、気になった言葉を、いくつか紹介してみる。
①「天を祀るだけで汗をながさぬ人が、なぜこの世で至尊でありつづけるのか」これは、天皇制を考える上で、へーと思った。汗を流さぬ、という意味は、直接に労働をしない、という意味だと思うが、現実には、一般国民であれば、隠居の歳なのに、お仕事を続けているのは、畏れ多い気がする。天皇制は、文明的には必要がないのかもしれないが、天皇制は文化そのものであり、そのような文化を持っていることは、世界に誇れる数少ないことの一つではないか、と思う。
②「結婚するまでは、相手を見ていればよい→結婚すると相手は消える」現在は、結婚という制度そのものが、危機に瀕しているように思う。結婚も文明的に考えると、損得の勘定になってしまうのだろう。昔は、一人では食えなくても、二人なら食える、というような言葉もあったのだけれど。もし、相手が消えるのなら、結婚は無からスタートする、という意味になる。無ならば、何も怖くはないのだが。世の若者は、頑張ってほしい。
③「女は嫁入りしても氏をかえず、財産も専有のままであるから、富家の女は莫大な財産を持ち続ける」現在の日本は、姓が変わる(正確には、夫婦が同姓を名乗る)。現在の議論は、大昔のスタイルに戻そう、ということらしい。とてもとても、無からのスタートとはいくまい。
④「疲労している人民に恩恵を与えるのがさきであり、兵器は蔵にしまっておくべきである」現在の、北朝鮮の方針とは、真逆である。だれでも、歴史から学んでほしいのだが。
⑤「鮑叔の引退⇒退くことが進むことよりもはるかにまさった例」また、政局の話に戻る。おそらく、今度の総選挙で、野田総理の判断は、民主党の党利党略からは、最悪の判断だったことは間違いない。しかし、国民の立場からは、国民が望んだことであり、ある意味立派な引き際だと思う。国家の立場は別にあるが、ここでは触れない。

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