国宝 大神社展 in東博平成館

 正直なところ、個人的には、神社よりもお寺の方がすきなのだが、お寺よりも神社の方が、日本においては、宗教としては先輩であるので、立地場所としては、神社の方が素敵な場所にある。したがって、日本におけるパワースポットも、神社が圧倒している。このような背景を持つ、神社が、総力を挙げて作った展覧会なので、展示替えは、予想はしていたが、前期と後期とでは、別の展覧会と思えるほどの、入れ替えが激しかったようだ。このレポートは、後期のものである。
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 第1章 古神宝 11「宝相華平塵地螺鈿飾太刀」国宝(巌島神社)小ぶりの太刀だが、それだけに印象が濃かった。 12「半臂 黄地向鶴丸花蝶模様錦」国宝(巌島神社)神様の着物らしいが、ミニチュアである。 13「紅麻内着」国宝(巌島神社)12にも似ているが、安徳天皇の産着とのことである。紅い色が、印象的だった。 22「松喰鶴蒔絵小唐櫃」国宝(巌島神社)13を入れていたらしい。
 第2章 祀りのはじまり 62「方格規矩鏡」国宝(宗像大社)海の正倉院といわれる沖ノ島の出土品である。この鏡は、物差しをデザイン化したもので、写真では見たことがあったが、本物はさすがに素晴らしかった。直線のデザインは、なかなか現代的な雰囲気もあった。 64「三角縁神獣鏡」国宝(宗像大社)これも、写真でおなじみの鏡だが、やはり素晴らしかった。像の一部に、仏教の影響がみられるように感じたのだが、偶然だったのだろうか。 65「□竜鏡」国宝(宗像大社)最初の□は、難しくて、読めないし書けない字だが、ワニを神格化したものらしい。勾玉の形をした竜が、なかなか面白かった。 66「金銅製棘葉形杏葉」5点のセットもので、騎馬民族説を、納得させるような、馬具の飾り物らしい。 71「滑石製舟形」国宝(宗像大社)このようなものまで、国宝であるのが、面白い。 72「金銅製雛機」国宝(宗像大社)同様のものが、伊勢神宮にもあるらしい。あまりにも素晴らしいので、胸にジーンときた。ただの、ミニチュアの機織り機なのだが。 宗像神社の宝物が、素晴らしいことは聞いていたが、今度は、現地で、ぜひ拝観してみたい。 75「斎場御嶽出土品」重文 沖縄のものだが、ピカピカの勾玉や銭が、印象深かった。
 第3章 神社の風景 86「春日権現験記絵巻 巻第二」(三の丸尚蔵館)うっかりすると、国宝でも重文でもないので、通り過ぎてしまいそうだが、とんでもない優品だった。高階隆兼が描いた絵巻である。集団の一人一人が、それぞれの個性や表情が描かれていて、いつまで観ていても飽きなかった。白河上皇なども描かれていた。とにかく、国宝を飛び越えて、世界遺産級の三品だと思った。もちろん、色もとても素晴らしかった。 88「松崎天神縁起絵巻 巻第六」重文 ボストン美術館にあるものに、匹敵するようなレベルの作品だと思った。 99「那智山宮曼荼羅」(那智熊野大社)行ってきたばかりで、懐かしかった。時空を越えた表現が面白かった。行幸の場面も、描かれていた。
 第4章 祭りのにぎわい 115「豊国祭礼図屏風」重文(豊国神社)その時にはないはずの、方広寺が描かれている。踊りの渦が素晴らしく輪の外側の衣装が奇抜だった。また、南蛮人が当時要しているのも面白い。 129「狩衣 紅地蜀江模様黄緞」重文(黒川能上座)一見、色あせて見えるが、良く見ると、実にすばらしい緞子だった。 132「狩衣 紺地白鷺葦模様」重文(岐阜・春日神社)一見鮮やかである。背中一面に、白鷺が描かれていて、鳥の表情が生き生きしている。鳥の舌まで、描かれているのが、面白い。 134「唐人装束 白地鳳凰鴛鴦菊模様」重文(巌島神社) パッチワークになっているのが、面白い。 139「能面 延命冠者」 表情が、素晴らしかった。
 第5章 伝世の名品 142「対置式神獣鏡」重文(山梨・一宮浅間神社)呉の鏡が、山梨に伝わっていることが、不思議た。 143「人物画像鏡」国宝(隅田八幡神社)拓本は見たことがあるが、本物は初めてである。時代が古く、字が下手なところが、間違いなく、国産の鏡であることが分かる。 145「羽黒鏡」重文(出羽三山歴史博物館)羽黒山の御手洗池から、190面も出土発掘されたらしい。いずれも、手鏡の大きさなので、小型の鏡である。平安末期から、鎌倉の時代に、自分を鏡に映して、池に鏡を奉納することが流行ったらしい。小型ながら、きちんとした立派な鏡の数々だった。 146「七支刀」国宝(石上神社)歴史の教科書に載っている、有名な刀である。きれいな象嵌が、想像以上だった。裏側の方が、よりきれいだった。 148「鉄盾」重文(石上神社) 神武天皇の時代を、彷彿させるような、立派なそして大型の盾だった。 150「金銅製壺鐙」国宝(宮地嶽神社)パルメットと呼ばれる、西方起源の唐草模様をあしらっていた。 152「直刀 黒漆平文太刀」国宝(鹿島神社)非常に長大な直刀で、存在感がありすぎる。 156「菱作打刀 脇指無銘」国宝(春日大社) ペルシャ的な模様で、雉やカモシカなどがデザインされていた。 166「牡丹螺鈿鞍」重文(白山比咩神社)源義仲の家来が、倶利伽羅峠の戦勝のお礼に奉納した鞍という。螺鈿を線状にして工作したものなので、一般の螺鈿よりも繊細で美しい。 176「北野天神縁起絵巻 巻第八」国宝(北野天満宮)火事の時に、ふすまや琵琶などを持ち出す様子などが描かれていて、面白い。 176「後鳥羽天皇宸翰御手印置文」国宝(大阪・水無瀬神宮)宸翰は珍しくないが、手形があるのが面白い。後鳥羽天皇の執念を感じる文だ。
 第6章 神々の姿 190「男神坐像」重文(松尾大社)渋い表情が印象的である。もっと、暗いところで、見るのが良いと思う。 193「女神坐像」国宝(教王護国寺)八幡三神像のうちの一つ。お寺にあるためか、仏教的な印相をしていた。 194「八幡神坐像」重文(広島・御調八幡宮)地蔵と同じ姿だが、手の形が違っていた。 197「家津美御子大神坐像」国宝(熊野速玉大社)シンメトリーな造形だが、フォルムが素晴らしい。威厳があり、唇が生々しい。 199「男神坐像」重文(三重・伊奈冨神社)力強い。特に、三国志の武将のように、一人で握手するような形が面白い。 204「女神坐像」重文(兵庫・櫛石窓神社)現代的な表情が良かった。 212「女神坐像」(広島・南宮神社)耳が見えるのは、身分が低い、というのだが。 215「武装神坐像」(奈良・勝手神社)仏教ならば、明らかに四天王であるが、日本式の甲冑が珍しい。 221「女神坐像」(兵庫・伊弉諾神社)険しい表情というのだろうが、つけまつげをしたら、どう変身するのだろうか、などと不謹慎なことを考えてしまった。 223「小丹生之明神 和加佐国比女神」重文(若狭神宮寺) 若き日に訪ねたことのある寺である。十二単のような装束である。素朴で、存在感のある姿が、好ましかった。 236「高野四所明神像」(東博)女神の唐装が面白い。 239「吉野御子守神像」当展覧会の看板娘であるが、パンフレットや看板などでは、周りにいろいろなものが配置してあるので、良さが分かりにくい。シンメトリーで、全体のフォルムが、とても面白かった。

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