地震遺跡Ⅱ 文明と文化の岐路⑨

 大槌町で、町役場の建物を、地震の怖さを1000年後に伝えるために「残す」決断をしたらしい。聞くところによると、このようなケースでは、ほとんどの場合、地震を思い出したくない、という被災者の思いが強く、このような建物を「残す」決断をしたのは、初めてのようだ。部外者からの立場でいえば、あのような「未曽有」の出来事は、実物を残さないと、実感としては伝わらないと思うので、英断ではないかと思う。大槌町へはまだ行っていないが、似たような感じを受けたのが、南三陸町の防災センターの建物だった。酷なようだが、あのような場所に、あのような規模の建物を建てたのは「行政」の明らかなミスだと思われるので、(これもつらい話だが、大川小学校の場合も、同様に感じた)、失ったものは取り戻せないが、未来の「人々」のためには、絶対に役に立つように思う。文明と文化との岐路では、ほとんどの場合に、文化の方に、エールを贈ってきたつもりだが、このように役に立つ、という考えは、文明的な考えなのかもしれない。世界の文明大国である中国には、いたるところに「地震遺跡」があったので、びっくりしたが、中国の場合、ほとんどがテーマパーク化するので、そうでなければ、良いと思う。
 日本の場合は、主に高齢者を中心とする大人が反対する場合が多いようだ。しかしそれに対して、未来の「人々」である子どもたちの中に、残して行こう、という盛り上がりがあるのは、ある意味、当然なのかもしれない。大人は長生きしないが、子どもは大人に比べて、長生きするはずだから、ぜひ子どもたちの意見を尊重してほしいと思う。子どもたちの発想に、原爆ドームがあったらしいが、もしそうであれば、たとえ負の遺産であっても、「文化」なのかもしれないとも思う。文明国における、人類史上最初の「出来事」だとすれば、それこそ、本当に「世界遺産」にふさわしいのではないかとも思う。(余計な話かもしれないが、旅をした印象では、米国、中国、日本が、世界の三大文明国ではないかと思っている。しかし、これは必ずしも、ほめ言葉ではない)

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