ウイグルの悲しみⅡ

 実際に、新疆ウイグル自治区を旅した印象を言うと、微妙な感じがした。今回の世界遺産「新疆天山」には、どうやら天池も入るらしい。(100%の情報ではないが)
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天池は、自分の印象でいうと、日本の中禅寺湖と上高地とをたしたような観光地で、漢民族の伝説もある景勝地である。地区としては、カザフ族の自治区に入るようで、ここで働いている人たちは、地元のカザフ族の人たちだった。そして、ここの入り口には、巨大なエントランスがあり、いかにも資本を投下した、という趣があった。中国政府としては、このような例を挙げて、少数民族の、生活向上に寄与している、との根拠にしている感じがした。他では、教育に関しても、それなりに、少数民族を優遇している、という説明もあった。もう一つ、中国は、人でいえば、マンツーマンみたいなシステムで、発展している沿岸部が、遅れている内陸部をサポートするシステムがある。国家が、一方的に、恩恵を施すシステムよりは、サポートする側の「顔」が見えるので、大変優れた方法だとは思う。ただし、実際に恩恵を受けているのが、どのくらいの人々までなのか、という大いなる疑問である。かつて、日本のOECDが、日本の業者が儲かるシステムになっているのではないか、という疑問があったが、おそらくは、似たような事情があるように感じる。現実の問題として、新疆ウイグル自治区の大都市には、漢民族が多く住み着き、経済の実験を担っている様子が、うかがえる。
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もともと、国外の東南アジアなどで、華人が経済の実験を握っていたことは、明々白々で、まして「国内」においては、今更、ここで書くほどのこともないと思う。もう一つ、「賢い」ウイグルの人と、普通のウイグルの人との格差も増大しているはずで、こういうことの不満と、もともとからある不満の二重の深淵がある。
 中国は、今や世界最大の文明国である。文明的な発想だけで、ウイグル族などの遊牧民族の、精神的なアイデンティティを、向こうに追いやるようなやり方は、ウイグル族にとっては、気の毒である。本来は、完全な独立を、それが無理ならば、高度な自治を実現すべきなのだが、「自分だけが正しい」という中華文明思想のもとでは、ますます離れていくようである。形の上では、インドのインフラを充実して行った、大英帝国のやり方と、やや似ているような、気がしないでもない。

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