唯一の技術

 たまたまテレビで「男はつらいよ」の最初の映画をやっていた。渥美清も、倍賞千恵子もさすがに若かった。映画を見ていて気になったのが、タバコを吸うシーンの多さだった。あのころは、あのようにどこでもタバコを吸っていたらしい。映画の中で、妹のさくらが、職工の博と結婚するのだが、当時にあっては、まだまだ大学出、と言うのは一種のブランドだった時代だ。時代は変わって、現代は、お金と気持ちさえあれば誰でも、大学出になった時代である。だとすれば、現代は、むしろ腕の立つ職工の方が、なまじの大学出よりも、値打ちがある時代になったのではないか、とふと思う。むかし、ドイツにマエストロという、職工の勲章みたいなものがあり、日本にも、マエストロのような制度があり、尊敬されるといいな、と思ったことがある。昨今の、就職事情を見る限り、異常に大企業に偏り過ぎていて、このあたりの、意識の革命があれば、日本も随分と良い国になりそうな気がする。日本では、ノーベル賞が、異常にもてはやされるが、研究者も一種の「職工」だと思えば、意識革命も、もう一息のようにも思う。現代の花形職業の一つは、プロスポーツ選手だが、これも「職工」の一変種だと思えば、分かりやすいかもしれない。
 たまたま「新報道2001」を見ていたら、日本そのものであるJAPANうるしの漆鉋を作る職人が、一人しかいなくて、その方ががんと闘いながら、その伝統の技を守っている、という内容だった。これは、個人的に、前々から思っていたことだが、日本に「唯一」と言われる技術は、国家として、後継者をしっかり育てていく義務があるのではないか、と思っている。そういう方には、少なくとも、経済的な苦労だけはしないようなシステムを、国家として考えなくてはいけないのではないか、と考えている。たかが職工だが、されど職工である。メイドインジャパンの国として、ぜひ匠の技は、継承してほしい。

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