春信一番写楽二番

 今年(2015年)の夏の暑さは異常で、久しぶりに出かけたら、暑さボケがひどくて、大変だった。この「春信一番写楽二番」という展覧会は、三井記念美術館で開かれたものだったのだが「三」という財閥のイメージと、東京駅の近く、という二つのイメージだけで、三菱の方の美術館と思い違いして、東京駅の、ちょうど反対側に、大汗をかきながら、大回りをしてしまった。
 展示室4 第一章 錦絵以前 浮世絵版画の始まり 7「今やうやくしゃふう」(二代目鳥居清倍)この時代には珍しい、大首絵で、それだけで、すっかりうれしくなってしまった。 10「芝居狂言舞台顔見世大浮世絵」ずいぶんの大作だったが、自分的には、舞台を飾る提灯の一本一本の骨の造形が、とても面白く感じた。 13「雀踊り」(鳥居清広)足の親指のスマートさに、びっくり仰天した。
 第二章 錦絵の誕生 春信の浮世絵革命 16「若侍の身支度」(鈴木春信)画家だけでなく工人の名前が3人並んでいるのが、興味深かった。 19「やつし芦葉達磨」(春信) このような達磨図は、歌麿にもあったような気がする。衣の表現が、素晴らしかった。 25「笛を吹く若衆」(春信)現代にも、美形の男性がいるが、そんな感じの若衆が、他にも多く描かれていた。 37「風俗四季哥仙 五月雨」風俗画だが、二本の傘の表現が面白い。 40「お波お初」(春信)実在の二美人を描いた画である。二人のポーズが面白い。 44「文を受け取る遊女」(春信)画題には関係がないのだが、二つの碁盤が描かれていたのが気になった。 49「遠眼鏡を見る男女」(磯田湖龍斎)吹き出しの表現が面白い。 51「鴨を襲う鷹」(絵師未詳)拓本と同じ技法の画で、彩色がある。迫力がある。
 展示室5 59「二代目嵐三五郎の工藤祐経」(勝川惷章)いこみき已己巳己という似た文字を並べている。
 第三章 錦絵の展開 清長・歌麿・写楽 72「吉原の花見」(鳥居清長)大判錦絵3枚続きの大作である。8人の花魁と6人の禿とが、華やかに描かれている。最近、同じ題の、歌麿作品のレプリカを観た。 81「青楼七小町 鶴屋内篠原」(初代喜多川歌麿)歌麿らしい、美人画だった。実は、家にある作品とも似ていた。 87「浄瑠璃十二段草子」(鳥文斎栄之)とても華やかで、浮世絵らしい作品。13人の女人の中に、牛若丸がまぎれているのが面白い。 88「めんないちどり」(鳥高斎栄昌)モダンなかんざしが、とても素敵だった。
 展示室6 93「三代目沢村宗十郎の大岸蔵人」(東洲斎写楽)びっくりの表現が、とても素晴らしい。眼の下の、見えないラインが面白かった。 95「谷村虎蔵の鷲塚八平次」(写楽)とても、力が入る作品だった。 97「四代目岩井半四郎の重の井」(写楽)眼は小さいのに、力があって、迫力だった。 98「初代尾上松助の松下造酒之進」(写楽)写楽らしい作品で、大目が寄っている。 100「四代目松本幸四郎の山谷の肴屋五郎兵衛」(写楽)写楽にしてはおとなしい作品だった。 102「碁盤を持ち上げる大童山」(写楽)写楽には珍しい作品。片手で碁盤を持ち上げる、八歳の怪童大童山。
 展示室7 第四章 錦絵の成熟 北斎・広重 114「富嶽三十六景 凱風快晴」(葛飾北斎)家にも飾っているが、さすがに本物は渋い。 115「諸国滝廻り 下野黒髪山きりふりの滝」(北斎)滝の表現が、とても面白くて、気に入った。 117「雪月花 隅田」(北斎)松に雪の表現が、北斎らしかった。 119「雪月花 吉野」(北斎)いかにも北斎らしい作品なのだが、桜をあまり描かなくて桜を表現していた。 129「れっぷでん 加賀の千代」(歌川国芳)鮮やかな藍色が印象的だった。 131「東都名所 亀戸天神境内雪」(初代歌川広重)広重の傑作、蒲原をほうふつさせるような、雪の傑作だった。 135「忠臣蔵 八段目」(広重)松にからむ蔦の造形が、とてもモダンに感じた。 137「六十余州名所図会 阿波 鳴門の風情」(広重)何とも、渦潮の迫力がど迫力だった。 139「名所江戸百景 深川洲崎十万坪」(広重)いわゆる、鷲の眼で俯瞰した傑作である。
 第五章 上方の錦絵 流光斎・長秀 141「彩色画選」(北尾雪坑斎)狐の表現が面白かった。 144「二代目助高屋高助の黒船忠右衛門」(流光斎如圭)小品だが、とても力があって、良い作品だった。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック