昔の日本、今の中国

 9月3日は、中国で「抗日戦争勝利70周年」の記念行事と、軍事パレードがもようされた様子。あれを見ていて、とても違和感を覚えた。特に、あの行事に参加した、首脳のメンバーである。なんとなく思ったのは、日本が、かつてやった、大東亜共栄圏の国際会議である。国内向けには、華々しく開催したのだろうが、国際的には、鼻つまみ者だった。今回のメインゲストは、ロシアのプーチン大統領と韓国の朴クネ大統領と言うのは、何ともさみしいかぎりで、その次が、カザフスタンのナザルバエフ大統領である。国内に、自身の肖像を飾りまくるのは、多くの独裁者がやりまくることである。かつてのシリアのアサド大統領なども、同じように、国内に肖像画を張りめぐらしていたが、同じような感じなのだろう。挙句が、アフリカの首脳の中には、人権問題で、国際的に指名手配されてる人物もいたらしいので、こうなると、さびしいを通り越して、みじめにさえ思えてくる。
 歴史から、多くのことを学ばなければならないことは事実である。その一つは、事実を正しく伝えることである。戦争中などは、国益に反することは、できないこともあるかもしれないが、フェアな国なら、アメリカがそうであるように、30年後とか、真相をはっきりさせるシステムを、国のシステムとして、持っていることだろう。タイトルは、「昔の日本、今の中国」としたが、どちらも、言論の統制が厳しくて、時には、事実に反したことも、報道をした、あるいはしていることだろう。最近の日本も、100%の報道の自由とは、言えない気もするが「昔の日本、今の中国」に比べれば、まあかなり開かれていることは確かだろう。たまたま資料を整理していたら、昭和12年7月8日発行の、7月9日付、東京日日新聞の夕刊が出てきた。「日支両軍交戦」という横見出しで、「馮部隊、盧溝橋でわが部隊に突如発砲」というのが、縦見出しだった。中国側言うところの、「抗日戦争」日本側言うところの日中戦争が、いつから始まったのかは、諸説あるらしいが、一番有力とされているのが、盧溝橋事件である。日本の関東軍がでっち上げた柳条湖事件に比べれば、盧溝橋事件の方は、未だ真相は不明らしい。なので、新聞の内容については、コメントのしようがないのだが、驚いたのは、この新聞の三面記事だった。詳細は省くが、この新聞に、鎌倉由比ヶ浜海水浴場の、女性の水着の写真が載っていることだった。柳条湖事件からカウントすれば、15年戦争という言葉があり、現場を知らない戦後っ子から見れば、ずっと戦争という暗いイメージばかり想像するのだが、必ずしも、暗い面ばかりではなかった、ようだ。ついでに、同じ新聞のCMに目をやれば、キングレコードのものがあり「きっとよ」とか「ほんとにほんとなの」と言った、甘いムードの女性歌手のCMがあったり、東京宝塚劇場のCMもあり、「本場のアメリカジャズを」とか「ニューヨークのミュージックホールを」などの宣伝文句があったりして、我々のイメージとは、ずいぶん違うような気がする。こんなに、平和だった日本を、戦争に引きずり込んだ下手人は、いったい誰だったのか、と恨みたくもなるような気がする。
 たまたま、友人から「昭和の大戦争のイロハを知ろう」という冊子をいただいた。この冊子は、市民講座で、講義されたものの、レジュメのようなものなので、とても正確で、まじめな冊子なのだが、この冊子によれば、盧溝橋事件は「7月7日、中国隊の方角から10数発撃ち込まれ、1名が行方不明」になったことがスタートだったらしい。この冊子で、へえー、と思ったことが一つあった。そもそも、日本の軍隊が、なぜ中国の北京(当時は北平)郊外に駐留していたのか、と言うことだった。これは、「義和団事件の議定書で、11か国は、北京・山海関沿岸の駐留権があった」ことによるとのこと。今から見れば、このこと自体が、おかしなことなのだが、当時は一応「合法的」なことだったらしい。ともかく、11日には、休戦協定を結んだのにもかかわらず、日本側が過重な謝罪要求を突き付け、果てには「抗日」の気運を高めたことは、残念でならない。ちなみに、8月15日を、日本では「終戦」としているが、この日に南京への渡洋爆撃を開始した、正式の開戦記念日であることは、余り知られてはいないようだ。翌昭和13年1月16日「国民政府を相手とせず」として、交渉解決の道を自ら、閉ざしたのは、どうしようもない、浅はかなことだった。この戦争は、日本と中国との戦争だったが、日本と当時中国を代表していたのは、公式的に国民政府であり、この意味でも、違和感のある中国の行事だった。

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