こんな日本に誰がした

 ツアーバス事故の犠牲者が、15人になった。事故の原因は、単純な話だ、とこのブログに書いた。一つは、ドライバーの、ほとんど若葉マークもつかないぐらいの、運転技術の未熟さと、このような、もうけ主義を生みだした、歴代政権の施策である。前者の部分については、真相がだんだんと分かりかけてきたが、後段については、ほとんど識者の声を聞かないのが「怖い」社会だと痛感する。わずかに、それに近い話は、教え子を3人も殺された尾木教授が、このような社会を生み出した「日本」と言うものに対して、批判を呈していた。もう一つは、NHkのクロ現で、業者の規模を大きくして、不適格な業者を排除すべき、と提言した。すべては、「構造改革」が諸悪の根源だったと、断言する。国民の命に係わる事業に対して、単純な「申請」だけで、営業できるシステムを構築したわけである。資本主義の論理でいえば、競争を激しくして、値段を低くすることは、素晴らしいことかもしれないが、国民の「いのち」や「健康」に関することは、資本主義の論理だけで推し進めることが、いかに危険なことかは、今回の事故で、身に染みたと思う。世の中に、「確信犯」と言う言葉があるが、今回は、運転未熟なドライバーを「戦力」にするために、ベテランドラバーを「監督役・指南役」として帯同させ、運転技術を向上させるために、一般国道を走行させた可能性が、きわめて濃厚だ。いわば、運転練習に、安いツアーをドッキングさせた、という「頭の良い」やり方の犠牲者になったわけで、本当に傷ましい。
 中国後漢王朝の創始者、光武帝は、官吏採用試験の秀才(彼の時代は正しくは茂才と言ったらしいが)を重視せず、頭でっかちではなく、孝のある人を選び出させて(孝簾)重視したことが、知られている。しかし、今の日本の社会は、政治のリーダーを筆頭として、この頭でっかちの人が、幅をきかせて、「正しい」人が、力を発揮できないような、世の中になっているのではないか、と危惧している。もう一つの、「大事件」である、カツ横流し事件の、当事者が、「法律に違反してしまったこと」をお詫びする談話を、発していたが、とんでもない発言だと思う。そもそも、杉原千畝ではないが、人間として、一番正しいことが「正しい」ことであり、世の中を裏切ったことが、一番の問題なのである。ところで、半藤一利氏の「あの戦争と日本人」を読むと、戦後にはびこったものが4つあって、一つ目が出世主義、学歴偏重主義であり、二つ目が金権主義、三つ目が享楽主義、四つ目が社会主義者とある。これらの中で、今もはびこっていて、今の世の中にも多大な影響を持っているのが、二番目の「金権主義」のようである。確かに、望ましい市場構造は、多数の売り手と多数の買い手が存在し、適切な競争があり、寡占や共謀がなく、新企業の参加が可能な社会である。おそらく、「規制緩和」と言う政策は、このような、理論によってなされた施策ではないかと、推測される。しかし、資本主義の最大の欠点は、個々人の利益が社会全体の利益と一致しないことである。結論として言わせてもらえば、国民の「いのち」や「健康」に関することは、やはり資本主義の原理を優先するのでなくて、国民そのものである、消費者の立場を重視したものでありたい。このことは、「いのちや健康は二の次で、安かろう、悪かろう」というダンピングの思想ではなくて、「安全で、適正な価格」こそ、全ての国民が、幸せになる、施策ではないだろうか。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック