黒田清輝展in東博

 生誕150周年を記念した、黒田清輝展が、東京国立博物館平成館で行われていた。
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数量限定で、格安のお花見チケットをゲットしたので、さっそく出かけてみた。本格的な、黒田の回顧展だと思うのだが、思いのほか空いていて、とても気持ちよく鑑賞することができて良かった。人が少なかった理由は、3つほど考えられるのだが、一つは、月曜日だったからもしれない。もう一つは、花見シーズンで、そちらの方へ行ったのかもしれないが、この理由は、薄いような気もする。三つ目が、黒田の作品は、教科書などでも紹介されているので、今更、新鮮味がない、ということかもしれないが、写真で見るのと、本物を観るのとでは、まるで違うので、この理由ならば、甚だ残念である。個人的には、黒田の多様な面が見られて、特にデッサンが多く見られて良かった。
 第1章 フランスで画家になるー画業修学の時代 56「婦人像(厨房)」 作品番号は、56なのだが、一番最初に展示されていて、出品目録を探すのに、焦ってしまった。藝大にあるで、おなじみの絵なのだが、本物を初めて見て、感激した。
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モデルは、「読書」と同じく、黒田の恋人だった女性らしい。逆光の後れ毛と言うのが、切ない感じで、とても良かった。絵から、愛情が感じられ、本物の絵でなくては、分からなかった。床の色も素敵だった。 1「自画像」 まだ、画家になる決心をするかしないかの頃の作品だと思うのだが、まじめさが溢れていて、とても良かった。 4「田舎家」 黒田が、ミレーの影響があったことを、初めて知ったが、ばりばりのミレー絵だった。 5「小便小僧」 ミレーの模写である。青い色が、ミレーの青で、とても良かった。 10「裸婦習作」 修行中の裸婦のデッサンだが、肩の表現が、とても良かった。 12「裸婦習作」 同じく、授業中の裸婦デッサン。シャイな感じが、とても良かった。  17「祈祷」 優しい祈りの感じが、とても良かった。手の表現は、もう少しだった。 21「アトリエ」 鹿児島市美術館蔵の作品。逆光の、「ままやき」手と髪の表現が良かった。ままやき、は日本語ではないが、とっさに、そのような言葉になった。 31「残雪」 日本画のような感じながら、ちゃんとした洋画だった。 34「写生帖5号」 可愛い、少女の絵だった。 46「台所」 構図が良かった。 48「赤髪の少女」 後ろ髪なのだが、朱い髪が眩くて、良かった。 50「編物をする女」 大作のデッサンなのだが、力強くて、とても良かった。 53「洋燈と二児童」 ひろしま美術館蔵の作品。少女の顔がとても良かった。 55「読書」 看板娘というか、代表作の一枚である。
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恋人を描いた絵の素晴らしさは前にも書いたが、背景の横じまのモチーフが、快く感じた。 58「菊花と西洋婦人」 初期の、花の絵は珍しかった。
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婦人が、ルノワールを思わせる、優しさだった。 西洋画2 「思春期」(ラファエル・コラン) いわゆる、師の作品である。こちらが、恥ずかしくなるような、清楚さだった。 66「夏図の画稿」 涼やかなデッサンで、良かった。 西洋画9「鶏に餌をやる女」(ミレー)鶏の輪が面白かった。ミレーの三色が、よく出ていた。 西洋画11「羊飼いの少女」(ミレー) 大昔に見たのだが、懐かしかった。「晩鐘」に通じる、静謐さが良かった。この絵も、ミレーの三原色だった。黒田展に来て、ミレーが観られて感激した。 西洋画17「サンジェルマンの森の下草」(モネ) 吸い込まれていきそうな、モネの絵だった。
 第2章 日本洋画の模索ー白馬会の時代 77「舞妓」 舞妓を描いている画家は多いが、好きな作品の一つである。ぐじゃぐじゃした着物を、スマートに処理して、舞妓のすっきりした顔とのバランスが絶妙だと思った。 86「杣」 印象としては、とても印象派的な作品だと思った。 89「昼寝」 ルノワール的な、印象派的な作品かとも思えるが、実際には、なかなか激しい色遣いの絵で、黒田には珍しい作品だと思った。 130「養父の肖像」 白い髭が印象的な、すてきな肖像画だった。 137「湖畔」 黒田の代表作。
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後に、黒田夫人になった女性がモデルだとのこと。見える部分、見えない部分を含めて、女性の上半身が、すがすがしく描かれていて、気持ちの良い作品だった。 138「木かげ」 昔見た印象では、ぼんやりした絵のように感じたが、良く見たら、顔もしっかりと描かれた絵だった。広島のグッドワン美術館蔵の作品。 参考2「朝妝」 いわゆる焼失した絵だが、裸婦の大家黒田の傑作は、本物をぜひ観たかった。 140「裸体婦人像」 展覧会で、下半身に幕が懸けられたと言う、悲劇と言うか喜劇と言うか、いわくつきの作品である。しかし、ふくよかな下半身は、黒田が言うように、渾身を込めて、描かれたのだと思った。 152「大隈重信像」 大隈の、優しさが表現された、よい肖像画だった。
 第3章 日本洋画のアカデミズム形成ー文展・帝展の時代 152「鉄砲百合」 気合の入った、鉄砲百合の絵だと思った。花は、裸婦を描くように描いたとの説明があった。 154「菊」実に大量の、ぐじゃぐじゃした菊の乱舞なのだが、不思議とまとまりがあり、良い作品だった。 156「野辺」 ポーラ美術館蔵の、きれいな裸婦像で、明治40年の作というから、驚かされる。 159「花野」未完成の作品とのことで、確かに、細部まで完成していないが、自分的には、このままで、程よい感じに仕上がっていて、彼の、盛期の作品では、一番に良かった。 161「花野画稿」 本絵よりも、セクシーで良い作品だった。 163「赤き衣を着たる女」 ちょっと肩を見せた、すてきな作品だった。漱石がほめた絵だという。 194「雪」 モネの絵を思わせる出来栄えだった。 168「婦人肖像」 大きな瞳が印象的な婦人肖像画だった。 196「薔薇」 のちの、中川一政を思わせるような、ざっくりとした絵だった。 99「昔語り画稿」 焼失した大作「昔語り」の、草刈り娘の顔の画稿である。渾身を込めた大作らしく、画稿だけでも、ものすごい集中した作品で、感激した。 139「智・感・情」 詳しいことは知らないが、重文の3部作の裸婦像である。輪郭がしっかりと描かれていて、ついつい観てきたばかりのボッチチェリーを連想してしまった。彼は、若かりし頃、熱心に裸婦のデッサンを描いた画家で、一見の価値がある傑作である。


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