詰まらないUSО放送

 つまらないUSО放送の前に、一言。新聞は、見たくないニュースは見なければ良いのだが、ニュースそのものを、紙面から抹殺するのは、いかがなものかと思う。M都知事の、「政治資金流用の疑惑」は、かなり深刻なニュースだと思うのだが、Y新聞は、5月12日の夕刊まで、全くの抹殺状態である。(13日朝刊で、最末端の一行記事が出た)
 5月11日のY新聞USО放送は、「領土問題 詰め方を教えてください 安倍首相 井山棋聖どの」だった。時の権力者を茶化すのは、江戸の昔から、庶民の楽しみなのだが、残念ながら、投稿者も選者も、囲碁のことはご存じない方のようで、その点が、「囲碁ファン」としては、詰まらなかった。もちろん、「詰まらない」と言うのは、「つまらない」のギャグである。ただ、最近、二つの出来事で、囲碁のニュースが、一般ニュースの、かなり上位に登ったのは、とても喜ばしいことだった。二つのニュース、と言うのは、コンピュータのアルファ碁が、世界の囲碁強豪である韓国の李セドル九段に、五番勝負で、圧倒したことであり、もう一つは、井山裕太九段の囲碁国内公式戦七大タイトル独占のニュースだった。
 将棋の世界には、「詰将棋」という問題がある。これは、詰ますことができれば、将棋そのものも終了してしまう。一方、囲碁の世界にも、「詰碁」という問題があるが、詰碁の、答えは残念ながら、USО放送のように「詰ます」ことではない。「生き」という問題であれば、正解は「生きる」ことにある。「死」という問題であれば「殺す」ことになる。問題によっては「如何」という場合もある。この場合、正解には、「コウ」という、不思議な正解もある。コウは、漢字では「劫」と書いて、「生き」でも「死」でもなく、部分的な結論は、持越しである。その他に、「詰碁」のジャンルには、「攻め合い」という世界がある。これは、部分戦での「勝つ」か「負ける」なのだが、面白いことに、この部分戦には引き分けに相当する「セキ」という答えもある。ただし、囲碁の「セキ」は、「死」ではなくて、双方が「生き」なので、二者択一ならば「生き」の仲間ということになる。したがって、安倍首相が、北方領土問題で、井山七冠に聞くとすれば、「セキ」にする方法ではないだろうか。詰まらなかったのは、そういう理由である。ちなみに、囲碁は、とても複雑なゲームで、部分戦(詰碁の世界)では生きても、囲碁全体の勝負では、負けにすることはよくある。逆に、捨石という方法で、部分戦(詰碁の世界)では確信犯で死んで、囲碁全体の勝負では勝つという戦略がある。詰まる所、「詰碁」は部分戦であり、それよりも、それを利用する戦略が重要である。
 アルファ碁の面白いところは、部分戦は苦手で、総合戦に強いことのようだ。つまり、詰碁には弱いが、囲碁には強い、ということのようだ。アルファ碁の強さが、戦略が強いのかどうかは、個人的には「微妙」に感じる。つまり、囲碁の神様が打つ手は打たないが、80%ぐらい勝つ手を、確実に打つ、と言うことのようだ。簡単に言えば、、部分にはこだわらず、総合的に見て、良さそうな「手」を見つけて打つ、ということに尽きると思う。
 最後に、井山囲碁七冠の強さは、目指すところが「勝利」ではなく、「素晴らしい碁を打つことを常に心がけている」ことだそうである。いつの日か、アルファ碁との激突を期待したいところである。

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