囲碁から見た藤井聡太とAI人工知能

 月曜日の午前中の、囲碁将棋チャンネルは、持ち回りとしては、囲碁の時間帯だったのだが、10:00からは、突如、将棋番組に変わった。内容は、日本中で話題沸騰の、藤井聡太四段が、前人未到の、29連勝をカケた、竜星戦の本選1回戦の、生中継だった。全国的な話題であるし、将棋のルールを知らないわけでもないので、その後も、29連勝を達成する瞬間まで、断続的に、中継を見ていた。将棋界の情報には、疎いのだが、この日対戦した、二人は、将棋界唯二の十代の棋士だと聞いて、びっくりした。かつて、有名な棋士が、頭の悪い兄弟が東大に行った、と豪語していたのを聞いた記憶があるが、将棋界は、年に2人だか4人だかしか、採用されないらしいので、超の付く難関であることは、間違いない。このことが、囲碁界には、うじゃうじゃいる十代の棋士に対して、2名しかいない理由にしても、とても不思議な印象を憶えた。ちなみに、現在、囲碁界で、最強の棋士と言われているのは、中国の、柯潔九段なのだが、この柯潔九段は、19歳である。 日本の場合、筆者が、当のブログで、逸材ぶりを紹介したことのある、一力遼七段を筆頭に、トップレベルの人材は群をなしているが、残念ながら、現在の囲碁界には、井山裕太という、歴史上でも最強かもしれない巨人が君臨しているので、十代のタイトル保持者がいないのが、残念ではある。ただ、女子の囲碁界においては、井山裕太同様に、全冠制覇していた謝依旻から、藤聡太と同じ十代の藤沢里菜が、五つのうち三つを奪取して、囲碁界の女王に君臨したばかりである。
 藤井聡太に話を戻すと、対局態度がとてもオーラがあり、恐らくは20歳上、と言われても、違和感を感じない、堂々たる対局態度、対局姿勢に感じた。一番驚いたのは、業界では、ひふみんアイと言われる、対局相手の背後から、盤面を眺める態度で、常識では、とても考えられない、不敵な態度なのだが、いとも、自然にやっていたので、びっくりたまげてしまった。個人的には、「本戦」こそ、勝負だと思っていたので、竜星戦本戦の対局に、注目していたのだが、結果だけ見れば、いとも簡単に、勝ってしまった印象を受けてしまった。自分には、将棋界に事情の詳しい人物が、二人いるのだが、そのうちの一人と、本当に一言だけ、会話する機会があった。「将棋界は、フィーバーしていますね」と話したら、「藤井は、AIを活用しているらしいよ」との返事だった。残念ながら、その続きを聞くチャンスがなかったのだが、どうやら、藤井聡太は、AIをフル活用している、新しい世代にあたるらしい。たまたま、29連勝の前日に、「人工知能 天使か悪魔か」というNHK特集があった。将棋AIポナンザと佐藤名人の対局をベースにした、番組だった。ただ、この番組の中で、明らかな間違いがあった。AI人工知能が、チェスや囲碁において、人間を凌駕した現在、最後の牙城だった、「将棋」という表現である(正確には、チェスや囲碁の人類の王者をAI人工知能が撃破した、という表現だったので、アベ首相お得意の表現を借りれば、印象操作なので、間違いではないのだが)。人間が、AI人工知能に負けたのは、事実としても、人類の囲碁の強豪が囲碁AI人工知能に負けたのは、昨年の3月だったのに対して、将棋界においては、永らくトップ棋士のAI人工知能との対局を、禁止していたからである。自分が知っている情報によると、今後もまた、AI人工知能と、将棋のプロとの対局は、ないということである。囲碁界では、AI人工知能トップのアルファ碁こそ、人間との対局は引退するらしいのだが、日本においても、中国においても、今後、技量を向上させるために、トップ棋士とAI人工知能との対局を積極的に行い、これを公開していく方針とのことである。将棋界は、逆に、トップ棋士との対局を忌避するとなると、秘密裏に非公開で、やることになると思うのだが、こうなると、AI人工知能を使いこなせる人だけが、有利になるのではないか、と危惧するのである。ファンが楽しめるのは、どちらなのか、興味深いところである。囲碁AI人工知能に関して、専門家の話を聞く機会があり、その時の話では、人間がAI人工知能に負けるのは、マラソンで、人間と自動車が競争するようなものなので、不思議でもなんでもない、との解説だった。
 テレビで、AI人工知能ポナンザ対佐藤名人戦を見て、これもびっくりたまげた。それは、ポナンザの初手なのだが、プロに言わせれば、珍手に属するような、金の動きで、まるでルールを覚えたばかりの、初心者みたいな手だった。その後、不思議だったのは、名人が、悪手を打たなかったのに、負けた、という衝撃的な解説だった。常識的に見て、敗着は、どこかにあると思うのだが、それが本当なら、確かに、神様に近い。実は、藤井・増田戦も、素人目には、増田優勢と思える局面から、解説のプロの目では、増田が悪手を打ったとも思えないのに、藤井が寄せきったので、もしそうだとすれば、藤井は、AI人工知能のようなすごい棋士、ということになる。テレビの、将棋棋士の話で、将棋は、最後に「悪手」を打った方が負ける、とのことだったが、事情は、囲碁もまったく同じである。ただし、悪手を打たなかった相手を倒すとすれば、ますます、藤井はAI人工知能の如く思えてくる。事実、データによれば、藤井の手は、AI人工知能の手と、合致する確率が高いとの報道だった。ますます、目が離せないことになる。
 ところで、将棋の解説者が、囲碁の連勝記録を紹介していた。それによると、井山がプロデビュー前の公式戦で、46連勝というのがあるらしいが、これは、初耳だった。しかし、これは、プロになる前の話である。もう一つ、韓国のイーチャンホ九段が、正真正銘プロ公式戦で41連勝と言うのも紹介していたが、これも初耳だった。井山の、七冠達成の時は、羽生の七冠達成が、同時に紹介されたが、井山は、もう一度、七冠へ向けて、猛進している。名人戦リーグは、ぶっちぎりで、連勝中なので、今年の秋には、もう一度、七冠挑戦が見られるかもしれない。藤井も、竜王戦を勝ち続ければ、秋には、限りなく挑戦に近づくので、両者合わせて楽しみにしたい。

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