ギリシア人の物語

 ギリシアから帰ってきてから、読みだしたのが、塩野七生著の、「ギリシア人の物語」である。ギリシアと言えば、アテネが有名で、その次がスパルタだろうか。壮麗なパルテノン神殿は、ペルシア戦争で焼かれた古神殿を、ペリクレスが再建したものである。このペリクレスという人物は、民主政最盛期のアテネにおいて、実に30年間も長期政権を維持した人物である。日本では、最近まで、「アベ一強」という言葉があったが、30年間の「ペリクレス一強」というのは、スケールが大きいものだと、感心する。残念ながら、栄華は永続きせず、アテネは凋落して、ライバルのスパルタに敗れるのが、歴史の現実なのだが、パテノン神殿が、何とか今の姿で、残ることができたのは、現地のガイドが、スパルタが、壊さなかったからだ、と説明していた。古代、というのは、残酷な時代なので、戦争に負けると、男は殺され、女子供は、奴隷に売られ、土地は更地にされてしまうらしい。現実に、パルテノンも、当時のスパルタの同盟国であった、テーベやコリントなどが、更地にすることを要求したらしいのだが、時のスパルタ王、パウサニアスが「ギリシャが自由でいられるのは、80年前に、アテネが先頭に立ってペルシアを追い払ったお蔭だ」と演説して、更地を免れたらしい。ところで、ギリシアが堕落したのは、デモクラツィアと呼ばれていた民衆政治が、劣悪化して、デマゴジアと呼ばれる衆愚政治に成り下がったためらしい。昨今の、アメリカのトランプ大統領の言動、というものは、「デモスが心の奥底に持っている漠とした将来への不安を煽るのが実に巧みな人」のようなので、まさにデマゴジアであり、今後、このまま続くのだとすれば、アテネと同じ運命をたどりそうな気がして、心配である。ちなみに、スパルタの政体、というものは、リクルゴスという人物が創りあげた「憲法」を死守したもので、簡単に言えば、格差社会であり、二人いる国王も世襲というもので、何か、北朝鮮を連想するようで、気持ちが悪い。ちなみに、アテネは、古には、ただの普通の都市国家に過ぎなかったのだが、デモクラツィアと呼ばれていた民衆政治を発達させ、同時に産業を興し、中産階級の確立に成功し、社会格差の縮小に成功した、ということらしい。してみると、昨今の日本の政策とは、真逆の政策なので、こちらの方も、真っ蒼である。

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