ゴッホ展 巡りゆく日本の夢

 いつものゴッホ展のつもりで行ったら、英語での題名は「Gogh & Japan」というもので「巡りゆく日本の夢」というサブタイトルの存在は、展覧会を観てからは、はじめてそうなんだ、と理解した。同じ上野でやっている「北斎展」とは、ある意味で、双生児みたいな企画で、面白かった。
 1「画家としてのゴッホ」 何度も目にしているゴッホの自画像なのだが、今回は、パレットが非常に気になり、とても面白かった。なぜか、ゴッホの指が緑色に見えたのが、奇妙な感じだった。ゴッホの髪の毛と髭の表現が素晴らしかった。
 1 パリ 浮世絵との出逢い 2「花魁(渓斎英泉による)」 今回のゴッホ展の、看板作品だった。
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この作品の、左右逆転の謎は、ポスターだったことが分かった。絵は、花魁よりも、周りの、鶴や二匹の蛙、右側の芦の表現が面白く、素晴らしかった。 7「エゾギク、サルビアを生けた花瓶」 エゾギクの表現が、後年の「向日葵」を彷彿させるタッチだったのが、興味深かった。 8「三冊の小説」 作品の出来栄えも素晴らしかったが、日本の楕円形の木の看板の裏に描いていたのが、衝撃的だった。 9「カフェ・ル・チンブランのアゴスティーナ・セガトーリ」 背景の浮世絵と、太鼓のようなテーブルが、印象的な作品だった。 10「名所江戸百景/大はしあたりの夕立」(広重) 今回、ゴッホ作は来ていなかったが、有名な作品。雨の表現はもちろんだが、橋脚の表現が素晴らしかった。 20「ポンタヴェンの市場」(ベルナール) 一目では、ゴーガンかと思った。
 2 アルル 日本の夢 21「雪景色」 ゴッホが、手紙で、まるで日本のようだ、と感激した雪景色の作品。ゴッホには、地平線の高い作品が多いが、この作品も、その一つ。 22「東海道五十三次/蒲原」(広重) さすがに、名作である。夜の雪が表現されていて、しんしんという感じが伝わってきた。 26「アイリスの咲くアルル風景」 アイリスは菖蒲なので、ゴッホは、ここにも日本を感じたのだろうかと、切なく思ってしまう。ぱっと見た感じ、原野が三つの色に掻き分けられているように感じた。ゴッホの風景で、遠くの景色が描きこみをされているのに、好感を感じる。 27「糸杉の見える花咲く果樹園」 本来、糸杉は不気味な造形なのだが、この絵では、楽しそうに描きこんであるのが、うれしかった。白い花は、雪のようにも見え、空の色にも、ゴッホの幸せが感じられる作品だった。 31「麦畑」 久しぶりーと思ったのだが、よく観ると、はじめて観る作品だった。麦のシンフォニーという感じが、心地よかった。 32「サント=マリーの海」 ゴッホの海の絵としては、同名の、ヨットを8隻並べた絵が有名だが、この絵は、海、とりわけ波を真正面から取り上げていて、珍しい作品だった。船をこぐ人の、波に映る様も良かったが、何よりも、下半分が、抽象画のような感じで、とても良かった。 34「五十三次名所図会/廿四 島田 大井川駿岸」(広重) 最近、島田宿を見学したばかりだったので、懐かしい感じがした。 35「サント=マリーの道」 アトリエで描いた絵らしい。空の黄色が、斬新だった。 40「冨嶽三十六景/神奈川沖浪裏」(北斎) すぐ隣の、北斎展でも観てきたばかりだが、今回は、浪の飛沫の表現が気になった。 42「水夫と恋人」 ゴッホが、跳ね橋を背景に、企画した絵の一部らしい。その企画によると、太陽が出て、黄色い空に描かれる予定だった絵の、一部である。色が鮮やかで、タッチも素晴らしく、ゴッホらしい絵だった。 49「種まく人」 広重の亀戸梅屋敷のような太い幹を描いた種まく人である。やはり、黄色い空もさることながら、中景の青い帯が、河なのか気になった。 52「柵のある公園」 葦ペンで描かれた、珍しい作品。ごじゃごじゃしたところが、気が遠くなる感じもするが、いやな作品ではない。
 3 深まるジャポニズム 58「寝室」 ゴッホの、わくわくする気分の伝わる作品である。久しぶりに観るのだが、今回は、二つの椅子が気になった。 58「タラスコンの乗合馬車」 本邦初公開の、ゴッホ作品らしい。さりげなく描かれている車輪の、躍動感が良かった。 63「市川蝦蔵の竹村定之進」(写楽) 切手の世界で、写楽と通称されている作品である。不思議なことに、ゴッホの匂いのする作品だが、思ったよりも、顔は小さく感じた。 75「夾竹桃と本のある静物」 異様に踊る葉っぱが、凄かった。 77「オレンジ、レモン、青い手袋のある静物」 セザンヌ的な感じもするが、バックが砂漠のように感じた。 78「オリーブ園」 いかにも、ゴッホ作らしいうねうね感のする作品だった。 80「渓谷(レ・ベイレル) 渓谷の造形が、妖怪のような、おどろおどろしさがあった。 84「東海道五十三次/庄野」(広重) さすがに、名作である。脚の運びと、背景のリズム感が、抜群だった。
 4 自然の中へ遠ざかる日本の夢 85「アニエールの公園」 点描風の作品だが、白も点描なのが、印象深かった。 87「河岸の木々」 雪のイメージだった。 89「草むらの中の幹」 異様な木の肌だと思ったのだが、これもキヅタだったのだろうか。 91「ヤママユガ」 蛾が、とても大きく描かれていて、印象深かった。 105「ポプラ林の中の二人」 ポプラの並木のような列が、印象的な作品で、ゴッホお得意の、恋人が描かれていた。
 5 日本人のファン・ゴッホ巡礼 12「オーヴェルの正面」(里見勝蔵) ゴッホと言うよりも、ヴラマンクの感じが強い作品だった。
 作品とは直接関係はないのだが、ゴッホの伯父さんが日本に2度も来ていたことを知って、びっくりした。想像以上に、ゴッホと日本との関係が強いことが分かって、とても良かった。私事ながら、今回の展覧会で手に入れた、ゴッホ作品の絵葉書の点数が、今回でめでたく、100点になった。

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