至上の印象派展 ビュールレ・コレクション

 至上の印象派展 ビューレル・コレクション
 この度、ビュールレ・コレクションが、公営の美術館に移るために、まとまったコレクション展としては、最後の展覧会らしい。東京展は、冬からやっていたが、冬は寒くて、なかなか出不精で、桜も咲いたので、そろそろ動き出したのだが、気が付いたら、GWも終わり、展覧会の最終日になってしまった。この後、名古屋でも開催されるが、出かけるのも大変なので、頑張って、出かけた。
 若き日に、画集なるものを2冊買ったのだが、その2冊とは、ゴッホとルノアールだった。もちろん、今のように、美術に関心があるというよりも、ミーハー的に、ゴッホとルノアールとはなじみがあり、買ってみた、と言うわけだった。そのうち、ルノアール画集の表紙を飾っていたのが、今回の目玉作品である「史上最強の美少女」である「可愛いイレーヌ」である。画集で何度も観ていれば、何だか、すっかり観てしまったような錯覚に陥るが、家にある絵葉書コレクションの中にないので、今のレベルでの絵を観るのは、どうやら初めてのようである。今回、無理をしても、展覧会に行ったのは、この美少女に、「再会」したい気持ちだったのかもしれない。
 第1章 肖像画 1「男の肖像」(ハルス) ハルス80歳代の時の作品らしい。17世紀の絵だが、不思議なことに、若い頃のハルスの絵よりも、印象派的なタッチが、とくに首の飾りが、印象的だった。 3「アングル夫人の肖像」(アングル) 新婚時代の夫人らしい、ぽっちゃりとした夫人が愛妻らしく描かれていた。 6「アルフレッド・シスレーの肖像」(ルノアール) ブルジョワ時代のシスレーが、それらしい雰囲気で描かれた秀作だった。 7「ピアノの前のカミュ夫人」(ドガ) 素敵な夫人で、ウエストがものすごくスマートだった。下半分は、黒っぽいのだが、いい絵だった。
 第2章 ヨーロッパの都市 9「カナル・グランデ、ヴェネツィア」(アントーニオ・カナール) 疲れるぐらい、細かく詳細に描かれた絵だった。 12「陽を浴びるウォータールー橋、ロンドン」(モネ) 本当にぼんやり描かれた絵で、帆船が印象的だった。 13「雪のサン=ミシェル、パリ」(マティス) 大好きなマティスの絵だが、ある意味彼らしくなく、本格的な風景画だった。印象派っぽい作品だった。
 第3章 19世紀のフランス絵画 14「読書する少女」(コロー) 西洋画によくあるテーマだが、清楚な少女が、コローらしかった。 15「狩人の肖像」(クールベ) 帽子の造形が、とても印象的だった。半逆光で暗く描かれた顔だが、眼光が鋭かった。 16「モロッコのスルタン」(ドラクロア) 適当な遠近感が心地よかった。馬が、生き生きと描かれていた。 19「オリエンタル風の衣装をまとった若い女」(マネ) 薄い衣をまとっていて、正直な話、ヌードよりも、何倍もエロチックな絵だった。
 第4章 印象派の風景-マネ、モネ、ピサロ、シスレー 22「ルーヴシエンヌの雪道」(ピサロ) ピサロは、現在のヴァージン諸島の生まれで、アナーキズムに興味があったらしい。雪道を歩く男のずた袋が、アナーキーらしくて、面白かった。 26「ブージヴァルの夏」(シスレー) 画面の半分以上を占める夏雲が印象派らしく、青い川面と川べりを歩く一人の男が描かれていた。 27「ベルヴェの庭」(マネ) 彼の画歴では、後半の作品らしいが、印象派の影響が強いのに、驚いた。 28「ヴェトイユ近郊のヒナゲシ畑」(モネ) 画面いっぱいに描かれたヒナゲシだけで、すっかり感動した。ヒナゲシの中に、母子三人が幸せそうに歩いていて、背景も素敵だった。 29「ジヴェルニーのモネの庭」(モネ) モネ晩年の、ぼんやり感の強い作品だが、描かれている薔薇が心地よかった。
 第5章 印象派の人物-ドガとルノワール 32「控室の踊り子たち」(ドガ) 未完のような、スケッチのような作品だが、生き生きした意識していないなポーズが素晴らしい。 34「可愛いイレーヌ」(ルノアール) 冒頭に紹介した作品である。妖精がいれば、まさに妖精のように感じた。手が、いかにも可愛らしかった。口元が一番素敵だったが、子どもらしくて良かった。 35「夏の帽子」(ルノワール) ポーラ美術館にある作品と、ほぼ同じだった。花を髪に飾るポーズが、愛らしくて良かった。 36「泉」(ルノワール) 同名の作品は、アングルの作品が有名であるが、ひょっとしたら、アングルへのオマージュ作品かもしれない。豊麗なヌードという表現がぴったりの作品で、青い目も印象的だった。
 第6章 ポール・セザンヌ 37「聖アントニウスの誘惑」 誘惑する女の、お尻がいかにも蠱惑的だった。 40「赤いチョッキの少年」 端正な顔立ちの少年は、プロのモデルとのことだった。右腕がデフォルメされているように感じた。赤色は、効果的だった。 41「パレットを持つ自画像」(セザンヌ) 早いタッチの筆さばきが素晴らしかった。 42「老庭師」(セザンヌ) セザンヌタッチが、大胆だった。
 第7章 フィンセント・ファン・ゴッホ 43「古い塔」(ゴッホ) がっしりと建っている古い塔が、印象的 44「自画像」(ゴッホ) はじめて観る自画像である。頬がげっそりとしていて、やつれた感じがした。 45「アニエールのセーヌにかかる橋」(ゴッホ) 川や船はおなじみの色である。上にSLが走っているのが目新しい。紅いパラソルか帽子が、印象的だった。 46「日没を背に種をまく人」(ゴッホ) 同じ構図の絵が、ゴッホ美術館にあり、家には、そちらの絵葉書がある。浮世絵の影響が濃厚なことで有名だが、ゴーギャンの影響もあるらしい。二つの作品は、夕日と空の感じが少し違っていた。クレヨンのタッチのような絵でもある。 47「二人の農婦」(ゴッホ) いかにもミレー風の画なので、ミレーの模写でなければ、ミレーへのオマージュ作品だと思われる。空のうねりが凄い。 48「花咲くマロニエの枝」(ゴッホ) 背景に描かれている青いラインが、マロニエの枝の隙間にも、びっしり描かれていて、そんなことに感動した。マロニエは、どちらかと言うと、地味な花にも思えるのだが、これを感動作にするゴッホに、うれしくなった。
 第8章 20世紀初頭のフランス絵画 53「肘掛け椅子のひまわり」(ゴーギャン) ひまわりも、肘掛け椅子も、ゴッホの作品では、重要なテーマだが、それを晩年のゴーギャンが描いたことに、不思議な気持ちになった。窓の外には、絵のような海岸風景が描かれているのも、面白かった。 54「贈りもの」(ゴーギャン) 二人のタヒチの女のうち、一人は授乳する姿を描いている。自分的には、どうしても背景に目が行ってしまった。 55「室内」(ボナール) ボナールと言うと、どうしても、浴槽のボナール夫人の絵を想像してしまうのだが、こちらは、室内の夫人を描いた絵。背景の、ガラスと思われる造形が、とても面白かった。
 第9章 モダン・アート 57「ル・ベック近くのセーヌのはしけ」(ヴラマンク) 野獣派ヴラマンクの絵は、水景なのに、赤色が目立っていたのが、面白かった。 59「レスタックの港」(ブラック) 抽象のイメージが強いブラックだが、この絵は港の風景画で、ヴラマンク同様、赤が目立っていた。
 第10章 新たなる絵画の地平 64「睡蓮の池、緑の反映」(モネ) 永らく、国外不出の作品だったらしい。このような絵は、コメントの必要がない。ただ、足元から感動が伝わり、頭まで感動がいたった時に、頭が熱くなる体験をした。この絵は、インスタを意識してか、撮影が可能なのだが、誰もが、撮影に夢中で、とても絵画鑑賞をしている態度とは思えなかったのが、ひたすらに残念だった。飛び抜けて良い作品だっただけに、非常に惜しまれる。
 大美術館展だと、有象無象の作品まで鑑賞させられて、げんなりするが、この展覧会は、適量の展覧会で、快適だった。東京展は終わったが、ぜひ観てほしい。



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