立山浄土山 どらくれ立山三山縦走②

 室堂は3度目である。最初は、立山・剣登山の時にお世話になり、2度目は、ツアーで、富山側から雪の大谷歩きでお世話になり、そして今回、ということである。それにしても、室堂駅は、地下鉄の駅みたいなところで、階段を上がったところが、屋上みたいな出口で、目の前に、立山の堂々とした雄姿が見えていた。準備を整えて、玉殿の湧水を飲んで、歩き出したのは、9:15だった。完璧な遊歩道
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は、実に歩きにくい道路で、文句を言う人はいないのだろうか、とつい、愚痴の一つでも言いたくなる、難路である。チングルマなど、高山植物も、実に立派なのだが、いかんせん、柵に囲まれているので、その風景が雄大であるにも関わらず、写真を撮る気にもならないのが、残念である。10分ほど、この難路を歩いていくと、室堂山荘の近くで、右折する道があった。ほとんどの人が、一ノ越に向かって、直進するので、不安になるのだが、勇気を奮って、右折することにした。というのも、このまま直進してしまうと、1時間もすれば、今夜の宿泊地である、一ノ越に着いてしまう。今回の、山行きの題名は「どらくれ」と命名したのだが、いくらどらくれと言っても、午前中に宿泊地に着いてしまうのは、いかがなものか、と思ったのと、室堂山展望台からの眺めが、絶景である、という情報によるものだった。右折の路も、しばらくは難路だったが、すぐに、歩きやすい、普通の山道に変わった。
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その分、傾斜がきつくなるので、我慢の路でもあるのだが、左手には、雪渓があって、涼しい風を送ってくれるのと、夏山の応援団である、高山植物が、我々を励ましてくれるので、嬉しい道でもあった。このあたりで、ようやくワイルド派のチングルマを写真に収めた。
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例の、扇沢で、一番先に並んでいて、ダイアモンドコースに行く、お兄さんが、重い荷物を背負って、我々を追い越していった。右折ルートを登る人を観察してみると、どうやら、五色が原へ向かう人が多いように感じたが、この点に関する論評は、のちに、自分の体験を踏まえて、改めて、話してみたいと思う。やがて、傾斜がやや緩くなったあたりに、浄土山登山口、と大きく書かれた、立派な標識が現れた。今回、歩いた立山三山周回コースは、全体的に、標識が、不親切なのだが、その中にあって、一番に立派で、分かりやすかった標識が、浄土山登山口だった。我々は、ここを直進した。
 世の中には、立派な名前を付けて、有名観光地になったような場所がいくつもある。最近読んだ本の中に、阿蘇の展望台として名付けられた、大観峰のことを、遠見ヶ鼻という、立派な名前があるのに、改悪した、とブーイングしていた本があった。中には、名前負けするような、立派な観光地もあるにはあるのだが、我々が10:15に立っていた、展望台という、平凡な名前に似ず、実に立派な、展望台だった。まずは、正面に見える立派な山が、薬師岳だった。
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それだけなら、どこにでもある、展望台なのだが、この薬師岳の手前に、観ようによっては、異様な形の五色が原と、立山カルデラの姿が見えていた。昔から、北アルプスに、二つの楽園があるといわれていた。一つが、雲の平で、もう一つが、五色が原である。雲の平には、かつて、ここを目的とした山旅をしたことがあり、その後、もう一度行ったことがあるのだが、五色が原は、観るのも初めてなので、とても感激した。そして、一番奥には、槍・穂高連峰の大槍の姿がくっきりと見えていた。
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特に、М子は大満足で、よほどうれしそうな顔をしていたらしく、この展望台に来ていた、老登山家が、実に素敵な顔をされていて、自分も嬉しくなる、と褒めていた。ちなみに、老登山家とは、御年88歳の超老登山家をサポートしてここへ登られていた御年80歳の矍鑠とした、老登山家だった。将来の自分のことは、何とも言えないが、自分も、一つの目標として、ここには、また登ってきたいと思って、心を残して、浄土山登山口に戻った。ここは、残雪をトラバースする、難所でもあるのだが、ほぼ角度が水平なのと、ダブルストックがあるので、楽しんで、雪渓を渡ることが出来た。しかし、ここからの、浄土山の登山は、本当に厳しかった。今度は、ストックが邪魔になるような、岩登りの連続だったからである。実は、今度の山旅に当たって、最新のアルパインガイドを購入して、この地図を参考にしたのだが、この登りは、たったの30分と書かれていた。自分の感では、室堂から、展望台まで1時間(ガイドブック以下GBでも1:00)、浄土山までも1時間(GBでは、浄土山北峰まで0:30)と踏んでいたのだが、結果的には、自分の感の方が正しく、55分かかった。応援団の、高山植物では、クルマユリ
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が一番で、コバイケイソウも素敵だったが、特に、ヨーロッパ風の、緑色の花が珍しかったのだが、写真に撮り損ねたのが、残念だった。その他では、蓼の花が、なかなか素敵で、蓼の花を写真に撮ったのは、我が写真史上、初めてだった。
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登りつめたところには、石垣があり、人臭さもあったが、それよりも、穏やかな高原状の草地で、黄色いウサギギクや、青いタテヤマリンドウなども咲いている天国のような場所で、名前が「浄土」というのも、うなづけるような気がした。北側に回ってみると、立山の姿が実に立派なのだが、この立山に、そっくり寄り添うような形で、一体化したような形で剣岳が見えていた。
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江戸時代には、こちらが浄土に対して、あちらは、地獄だったことが、半ば分かったような気がした。ここで、おこわを、早い昼食にした。ここから、山小屋風の富山大学立山研究所が、すぐ近くに見えていた。この北峰とそちらの浄土山南峰との間は楽しい山道だった。ちなみに、登りつめた場所にあった石垣は、軍人霊碑だったのだが、あまりメンテナスがなされている様子がなく、せっかく国のために戦った軍人さんの慰霊碑なので、ちゃんとしてほしい気がした。丁寧に、お祈りをしてきた。浄土山南峰は、広い台地で、目の前には、竜王岳がそびえていた。
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 立山・剣地域には、是非にも行ってみたい場所が二ケ所ある。一つは、裏剣と言われる仙人池で、もう一つが、目の前に見えている、五色が原である。ルート上には、鬼岳という、その名も恐ろしい山を越えていくのだが、果たして、自分の実力で、行けるのか、行けないのか、しばらく思案しながら、そのルートを眼で追っていた。
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竜王山から鬼岳のあたりは、岩山の感じで、恐らくは、浄土山の登りみたいなルートが予想され、その行く手には、歴史上有名なザラ峠があるはずだが、その当たりは、山影になっていて、良くは分からなかった。五色が原へは、もう少し、実力をつける必要があるように思われた。浄土山の北峰と南峰とを併せて、1時間弱このあたりを周遊して、12:35に、一ノ越に向かって、下山を開始した。正面には、一ノ越から雄山に登るルートが見えるのだが、まるで蟻の行列のように見えて、面白かった。さて、我々は下りなのだが、この下りは、最高に楽しかった。何よりも楽な下りで、足元には、高山植物が咲き乱れていたからである。
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白馬大雪渓の畔のお花畑のような華やかさがあって、とても感激した。浄土山全体に紫色のキキョウが目立っていたのだが、山頂あたりにチシマギキョウが多かったのに対して、ややカップが浅めのミヤマギキョウが多いような気がした。
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アルプスの三大名花は、エーデルワイス、ゲンチアナ、アルペンローゼだが、ここには、エーデルワイスのお仲間である可憐なハハコグサ
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が多く、その白さが際立っていた。ゲンチアナは、キキョウなので、もちろん沢山咲いていたのだが、岩壁に、タカネバラ
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が咲いていたのが、印象的だった。今までに、一度か二度しか、目にかかったことが無かったのだが、ここは、群落のように咲いていて、感激した。高山植物を求めて、ヨーロッパや中国にも旅したが、日本のお花畑は、彩の種類が多いのが特徴で、一ノ越に下るまで、飽きなかった。GBで30分の下りを、40分かけて下り、13:15に、何とかゴールしたのだが、やや体調不良だった。部屋は、二人で貸し切り部屋だったので、超ラッキーだった。一休みしてから、ロビーで、カップ珈琲を頼んだら、何と200円の良心プライスで、とても美味しかった。夕方には、夕陽を鑑賞したのだが、夕陽が沈んでからの、夕焼けがとてもきれいだった。いろんなおしゃべりが聴こえる中で、やはり浄土山の登りが大変だった話の他に、スタンダードな石畳のコースで、3時間もかかった、と自慢話をされていた御婦人がいた。この時には、どうして時間がそんなにかかるのかが、不明だったが、翌日に、雄山方面から、このコースを見た時に、その謎が解けた。要するに、雪渓を4回もトラバースするみたいなのだが、少なくとも、そのうちの二つぐらいは、傾斜がややきついので、慣れない人は、難渋したのかと思った。一の越山荘の夕食は、簡単なものだったが、やや塩分を取るように工夫していたらしく、シチューなど美味しかった。夕刻に、日の入り
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夕焼けの鑑賞をした。荘厳な感じで、感動した
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のだが、この感動をぶち壊す登山者が現れた。夕闇迫る午後7:15ごろに、荷物を仲間に負わせて、ヨタヨタしながら、山小屋に着いた老登山者グループがいた。とっくに、夕食も終えている時刻にである。みんながあきれて、挨拶もしていなかった。本当に、蹴っ飛ばしたくなった。登山者の事故が増えるわけである。ああ嘆かわしい。山小屋なので、もちろん早く寝たが、夜中には、星も見えていた。今回の登山は、天気の心配をしないのが、とてもよかった。
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