イラン考古学博物館 イラン歴史の旅 ペルシャ秋游⑯

十日目(10/21) この日も天気は良かったのだが、未明には雨が降ったらしく、雲はあるものの、爽やかな朝だった。テヘランも、他のイランの都市と同様、古い歴史があるらしい。そして、この町も、モンゴルによって、破壊されたとのこと。生き残った人々は、失業したので、盗賊になった、というのがガイド氏の説明だった。モンゴルは、中東を支配するにあたって、二つの敵があり、その一つがイスラムであることは勿論だが、もう一つが、この山賊勢力だった。ガイド氏によれば、この人たちの子孫は「やくざことば」を使うらしい。
 テヘラン観光の最初は、考古学博物館だった。昨日の、スーサの付属博物館が良かったので、これよりも良いのかと思ったが、それほどでもなかった。展示の前に、大きなイランの地図があり、我々の旅のルートと、イランの地勢的な説明があった。ホルムズは、マルコポーロが、訪れた有名な港だが、同名の島があることは、初めて知った。ポルトガルが占領したホルムズを、アッバース1世が奪還したことは有名だが、このホルムズは島だったようだ。
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現在のホルムズは、もっぱら海峡の名前として、世界の地勢上、非常に重要なポイントとなっている。一番に古い人類は別にして、ネアンデルタール人は、ドイツよりも1万年古い、という話しだった。最近の、人類考古学は、すべての人類が、アフリカの発祥で、アフリカ大陸から、ユーラシア大陸の方へ、津波のように広がって行ったようだ。最近では、DNAの解析も進んでいて、現代人種の数%に、ネアンデルタール人の血が入っているようで、イランには直接関係ないが、興味深い話だ。
BC7000のものには、日本の縄文土偶にも似たようなものがあった。
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BC5000のテヘラン郊外で発掘された大壺は、麦の貯蔵器との説明だった。また、同じころの、文字絵のようなものもあった。BC3000頃のパキスタンの近くで、発掘されたものを使っていた人たちが、モヘンジョダロへ行った、という話は面白かった。シュメール人は西イランから、こちらの方は、東イランから南下して、四大文明のうちの二つのオリジンであるとすると、話が半分としても、イランの考古学は凄い。もうその頃から、印章が使われていたようで、アーリア人が来る前から、古代文明が栄えていたことには、間違いがなさそうである。印章はインダス文明のものが有名だが、イラン高原は、二つの古代文明のネットワークなので、むしろ、こちらが本家とも思える。BC2000の、立派な車輪
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があり、四大文明の証拠として、ブロンズの製品もあった。ガイド氏の話では、イランのブロンズは、良い製品で、インドから、エジプトにまで輸出されていた、との刺激的な説明だった。この頃は「会社」の印章まであり、為替のようなものまで、王の道を通じて、流通していたそうである。又、アーリア人の動物の土偶や、「イラン」発祥の碑文もある、とイラン至上主義のディバ氏であれば、思わず、語りたくなったのだろう。日本人であれば、「日本」の最古の文字のようなものである。のこの頃の展示物の中には、昨日のチョガ・ザンビルのもの
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(牡牛の像、碑文付)もあった。時代は下る(BC1500~1600)が、ペルセポリスの遺物では、良くある対になった牡牛の梁の飾りが、奇跡的に柱とつながった形で展示されていた。
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レリーフでは、倉庫にあった「二流品」とのことだが、立派な作品だった。
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もちろん、スーサの遺物(拝火教のシンボルのタイル絵)もあり、ダイオレス1世の碑文もあった。10日前に、アメリカから返還された、良いレリーフも飾られていた。
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パルティア(BC6世紀)は、文化の不毛時代といわれているが、将軍の像が素晴らしく、その出来栄えからして、立派な文化を持っていた計算になる。
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パルティアと言えば、東にローマ帝国、西に漢帝国が栄えていて、あの甘英が絹の道を通り抜けた時代である。博物館は、考古物の博物館なので、時代は、ササン朝のものまでだった。日本の奈良にも影響を与えたササン朝であれば、さぞ立派なものがあるのかと思いきや、こちらは期待外れだった。ビシャプールのモザイクも何点かあったが、モザイクでは、チュニジアのものや、イタリアの優品を見た後では、何かむなしく感じた。そもそも、モザイクは、ローマから伝わったものだ、とディバ氏も、正直に話していた。言われてみれば、ビシャプールそのものが、捕虜だったローマ人が造ったのだから、当たり前といえば、それまでの話である。ソルトマンは、あまり趣味ではなかったので、写真もパスした。

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