こんな日本に誰がした

 いよいよ、令和時代のスタートが、秒読みに入ってきた。現在、旅立ちの直前で、ダブルでうきうきしている、といいたいが、令和の日本は、大丈夫なのか、と心配になってくる。ちょっと前に、タイのリゾートホテルで、日本の詐欺グループが、逮捕される、ニューがあった。オレオレ詐欺が、始まったころには、富裕層のお年寄りから、「お上」と「グループ」とが、お金を取り上げる、競争をしている、と冷ややかに見ていたのだが、我が家にも、「消費料金未納」という、怪しげなはがきが舞い込み、連日正体不明の電話がかかるようになって、とても嫌な気持ちにさせられた。「平凡な市井の民」を、不安にさせるような日本に、いったい、誰がしたのか、と考えるようになった。
 塩野七生さんの「ローマ亡き後の地中海世界」を読んだ。地中海を挟んで、ヨーロッパと、イスラムの攻防を描いた傑作で、題名が「ダサい」のにも関わらず、内容は、とても面白かった。北アフリカ(エジプトは、一応別に考える)というのは、正直な話、文明も経済も発達している印象が少ないのだが、ローマ時代のある時期までは、ローマの穀倉地帯だった時期もあり、ローマの立派な遺跡も残っているように思う。それが、イスラムの時代になって、北アフリカの人たちの「正業」が「海賊業」になって、穀物を生産する必要がなくなり、必然的に、農業が衰えたらしい。自分の、左脳的な知識では、中世は、イスラム社会こそ「文明社会」で、ヨーロッパは、どちらかといえば、野蛮な国と理解していた(十字軍を考えれば、的外れでもないのだが…)ので、相当な、カルチャーシックだった。当時の、北アフリカの人たちが、暮らせなくなって、「海賊業」に手を染めたのではなくて、彼らの「海賊業」は、ジハードの一環として、いわば、正しい行いとして、やっていたのであって、やましい気持ちはなかったのではないかと思う。経済的にも、能率が良い「産業」と考えていたフシさえある。
 現代の「詐欺グループ」に、ジハードのような、理論があるとは思えないが、「経済的に、能率が良い産業」と考えていることでは、中世北アフリカのイスラム海賊と、恐ろしいほどに、共通しているように思える。中世で、被害に遭ったのが、地中海沿岸にすむ「平凡な市井の民」だったことを思えば、何て似ているのだろうと、思ってしまう。冒頭に、「こんな日本に誰がした」と書いたが、平成のどこかで、「能率が良いことが最高」などと、吹き込んだ、経済学者(一番に許せないのは、タックスヘイブンをしたことだろう)と、その人に経済を丸投げした政治家が、確かいたはずで、その結果は、日本の「会社」を再生させたのかもしれないが、「平凡な市井の民」は、非正規雇用などという、不当な「階級」に貶められて、このような「格差社会」が実現したように思う。令和になろうとする、今も、その流れをくむ政治が続いているわけで、若い人たちは、大変だなあ、というのが、正直な感想である。

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