レバノン国立考古学博物館 東地中海(レバノン・キプロス)物語⑦

五日目(4月18日) 初めて、朝から晴れた。この日は、ベイルートの市内観光だが、この日のうちに、キプロスまで旅をするので、気持ちの上では、せわしい日である。最初の観光は、国立博物館だった。最初に、博物館復興のビデオを、13分見せてもらった。この地域は、レバノン内戦でも、激戦の地区で、その復興の様子を、見せてくれたのだった。瓦礫の中から、収蔵品を取り出して、修復していく様子は、本当に、感動ものだった。再オープンをしたのが、1999年で、つい最近まで、修復の作業が続いていた。ビデオ室の入り口には、立派な柱頭があり、神様の顔まで付いているので、自分の個人的な感想では、世界一立派な柱頭かと思った。
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メインフロアには、レバノンを代表する、考古物が、適当な感覚で展示されていた。中央には、パールベック神殿で発見された、モザイクが、飾られていた。
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余りにもの美しさに、体が良いポジションでモザイクを狙ったら、作品群に、迫り過ぎていて、注意されてしまった。もう一つは、ビブロスで見た、復元したローマ劇場の底にあった、ローマ時代の男性の顔(アポロンのような感じのモザイク)は、グラデーションが素晴らしかった。個人的に、最も気に入ったのは、今回の旅の「テーマ」の一つでもあった、「エウロペの誘惑」で、牡牛に変身したゼウスの妖しい眼が、面白かった。
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ゼウスがらみでは、他にも、「レダの誘惑」などの、諸作品があった。モザイクでは、もう一つ、すでに、ローマ時代には、伝説であった、アレキサンダー大王の、誕生奇譚のもので、桃太郎みたいな大王が、珍しかった。
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たまたま、「アレキサンダー物語」を読んでから、間もなかったので、興味深かった。もう一つの見ものは、やはり、ローマ時代らしい、石棺の数々で、夫妻の彫刻などは、余りにものリアルさ(二重顎など)に圧倒された。
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石棺の壁レリーフの、アキレウスの物語譚も、凄かったが、自分の知識不足が残念だった。彫刻では、やはり、ローマ時代の女神の、ミニスカートから見える膝頭が、とても可愛らしかった。
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学問的に重要だったのは、例のビブロス遺跡から出てきた、フェニキア文字入りの石棺(アブラム王)だが、現地に「保管」されていたものよりも、大きくきれいな石棺だった。「フェニキア船が描かれた石棺」は、地下に降りていく階段から、効果的に見えるように、なっていた。
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これは、教科書にも載っている有名なもので、なかなか憎い演出だった。地下には、もっと、度肝を抜く、石棺群(ローマ期)があった。故人の顔をそのまま彫刻した石棺群なのだが、ずらりと並んでいる迫力も凄いが、故人のリアルに表現されている「個性」が、素晴らしかった。
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地下には、もう一つ、墓室の壁面のフレスコ画が、きれいなのだが、残念ながら、撮影は、「禁止」だった。この中では、個人的には、体鳥頭人の迦楼羅像が、面白かった。
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博物館には、他にもコレクション(見学した遺跡では、ビブロス遺跡の青銅製兵士
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、エシュムン遺跡の男児の彫像
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など)が素晴らしいのだが、際限がないので、最後に二つだけ紹介する。入口のすぐ左手、ウエルカムの位置に、BC40ぐらいのレバノン杉
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があり、その上の説明には、ルーブルにある、レバノン杉の積み出しなどのレリーフが飾られていて、レバノンを象徴するものとして、置かれていた。もう一点は、入り口のあたりに、ヘレニズム期の、アポ青銅製のアポロンの頭部(本物は大英博物館)があった。この期のものとしては、レバノン唯一の作品なので、ぜひ、返還してほしい、というガイドさんの切実な気持ちが伝わってきた。

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