正倉院の世界in東博平成館

今年は、令和元年で、新天皇の御即位を記念して、奈良国博の「正倉院展」と並行して、東博でも「正倉院の世界」が催されている。10月29日は、肌寒い雨の日だったが、朝9:00の段階で、40分待ちの盛況だった。DSC09976.JPG
  第1章 聖武天皇と光明皇后ゆかりの宝物 1「正倉海老錠」 江戸時代のものらしいが、大きくてメカニックな感じが、とても良かった。 2「古櫃」 奈良時代から、平安時代のものらしい。詳しく調べれば、年代が測定できるのではないだろうか。 4「東大寺献物帳」 国家珍宝帳の名の方が有名な、光明皇后の願文である。現代語訳が添えられているので、それらしいあたりの文字を追っていくと、皇后の気持ちが伝わってきて、切なくなってきた。 9「平螺鈿背円鏡」 後期展示の「背八角鏡」の方が有名らしいが、全く、そん色のない、立派な鏡だった。先日、バルト三国へ行って、いろいろな色の琥珀を見てきて、確かに赤い色の琥珀があったが、とてもきれいな色だった。 11「海磯鏡」大型の鏡で、山や波が4方向から描かれていた。国産か、唐伝来かは、確定していないようだ。 12「銀平脱合子」 次の、15、16の碁子を入れる、碁笥である。丸みはなく、平たい蓋の表面に、聖象が銀で象嵌されたような器である。草花の造形も楽しい。 15「紅牙撥□碁子」16「紺牙撥□碁子」 牙とあるので、象牙を丸くカットした碁子を、赤と青に着色して、削るような手法で、鳥と啄む草花を描いているのが、いじらしい作品だった。 20「鳥毛帖文書屏風」 6扇のうちの2扇らしいが、赤と青の2種類があり、それぞれに、鳥毛で、文字を書いているのだが、多くの鳥毛が残っていることに、驚嘆する。 24「雑阿含経巻四十五」 光明皇后が発願した、願経である。この時代に、雑密の経典が、日本に知られていたらしい。
 第2章 華麗なる染織美術 25「墨画仏像」 さりげない、一枚の仏画だが、圧倒的な筆さばきに、舌を巻いた。菩薩の髪の表現も良かった。 29「縹錦幡残欠」 気が付かなければ、只の布の切れっぱしか、とスルーしてしまいそうになるのだが、次から次に登場する「残欠」は、アップしないと鑑賞できない素晴らしさがあって、とても良かった。この残欠は、花と鳥(何と、日本的なモチーフかと思うが)が、存在感を持って、きれいに表現されていた。 32「白橡綾錦几褥」 タペストリーみたいなものである。聖樹に、二頭のライオンが立ち上がる姿のデザインで、昨年、ペルシャを旅してきた身としては、より一層、シルクロードが身近に思えて、感激した。 34「狩猟文錦褥」 こちらも、騎馬民族のモチーフであり、シルクロードのデザインでもある。 44「白地朝顔文描絵布□残欠」 靴下のような形をした布切れに、鮮やかな蔦が描かれていた。 46「紺地目結文□□綾腰□残欠」 正倉院頒布裂というジャンルのものなので、東博の所蔵品なのだが、このシリーズ物は、どれも、目を見張る素晴らしさだった。 47「赤地円弧文□□布」 染が素晴らしかった。奈良時代のものなのに、アブストラクトだった。 48「淡青地草花文﨟□平絹腰□残欠」 木型で、草花のデザインを染めた、秀作だった。 50「紫地花鳥連珠七宝□文錦天蓋垂飾残欠」 天蓋の飾りの、先っぽなのだけれど、ペルシャ的文様だった。 54「緑地花鳥獣文錦幡足垂端飾残欠」 犬と水鳥と蓮が、可愛く描かれていた。 58「花氈」フェルト製のカーペット。中に、唐子が描かれていた。技術的に、大変だと思った。
 第3章 名香の世界 60「黄熟香」 いわゆる、蘭奢待である。まず、その大きさに圧倒される。足利義政、織田信長、明治天皇が、これを権力によりカットして、使用したらしい。後になるほど、つつましくカットしていたのが、面白かった。 64「白石火舎」 香を焚く炉のようなもので、大理石製である。何よりも、これを支えるライオンのお尻が、可愛かった。 66「銀薫炉」 銀製の、丸い香炉である。宝相華がきれいに、デザインされていた。
 第4章 正倉院の琵琶 69「螺鈿紫檀五弦琵琶」 正倉院でも、一二を争う名品である。中国の、シルクロード関連の博物館にも、このレプリカが、飾られていた。駱駝に乗った胡人が、四弦の琵琶を奏でているデザインなのだが、駱駝の首のひねり具合が、とても印象的である。貝は、夜光貝らしい。裏の、花の造形も素晴らしく、花弁の赤い色は、玳瑁らしい。してみれば、どう譲っても、東洋の作だが、これほど、シルクロードらしいデザインも、珍しい。2回ほど、じっくりと観て回った。
 第5章 工芸美の競演 95「瑠璃壷」 ササン朝ペルシャの紺色が、鮮やかだった。 99「動物闘争文帯飾板」 要するに、バックルなのだろう。同じ文様が、ペルセポリスのメインの文様としてあったので、つい見入ってしまった。
 第6章 宝物を守る 112「東大寺屏風裂」 残欠の所にも書いたが、このようなものは、アップして鑑賞できるので、とても素晴らしい。

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