東大寺戒壇院、奈良国立博仏像館 とことこドライブ西遊記⑦

 七日目(6月19日) 梅雨の季節なのに、天気はまずまずである。御蓋山にいでし月かも、という歌があるが、ホテルの窓から、御蓋山に、太陽が出ていた。実は、この日の予定は、未定だった。宿が、舘山寺温泉だったので、奈良から5時間とみて、10時に出発が、一応の基準だった。奈良国立博物館の時間を聞いたら、9:30ということで、微妙だったのだが、12時までは、車が停められるというので、まずは、奈良公園に向かった。興福寺の、中金堂が再建されたばかりなので、まずは、この建物を見学した。DSC08377〇興福寺.JPG内部の拝観はまだできない時刻なので、東大寺方面へ向かった。鹿ちゃんが、朝なので、のんびりと屯っていたが、生まれたばかりの、小鹿ちゃん(バンビ)が、特にかわいらしかった。東大寺の門前に、司馬遼太郎推薦の、吉野葛の店があると思い、案内板を見たら、黒川本家というのがあり、オープンは11:00ということなので、次回の楽しみにした。いつも賑わっている南大門も、人けが無く、仁王様もバッチリだった。南大門の向こうに、大仏殿のしびが見えるポイントがあり、バッチリと、撮影することが出来た。DSC08386〇東大寺.JPG大仏殿は、すでに拝観が始まっていたが、ここはパスして、戒壇院に向かった。DSC08387〇戒壇院.JPG賑やかな東大寺の一角にありながら、いつもひっそりしている戒壇院だが、朝の早い時刻なので、我々の「独り占め」だった。せっかくなので、朱印をお願いしてから、戒壇院を拝観した。戒壇院と言えば、四天王なのだが、実は、戒壇院の本尊は、多宝塔だった。多宝塔の中に、法華経に由来する釈迦と多宝の二仏が仲良く並んでいた。本物は、鑑真ゆかりのもので、現在は、ミュージアムで公開されているらしい。我々が見たのは、江戸時代の二仏だが、小さいながらも、なかなか良かった。そして、四天王である。我々は、ひとくくりにして、四天王と言っているが、前面には、武器を持ったいかつい増長天と持国天が護り、後方には、知性を感じる広目天・多聞天が控えている、という配置であることに、初めて気が付いた。向かって、左前の増長天は、怒りの形相がすさまじい像で、スタイルも抜群に良かった。もとは、彩色が施されていた様子で、脇の下のような部分には、やや色彩が残っていた。恐らく、秘仏として残されている、執金剛神像とよく似ているので、損をしているのかもしれないと思った。後で、戒壇院の増長天と執金剛神像とを比べてみた。確かに、よく似ているので、同じ作者か、同じ工房の作と確信した。ただ、怒りの%で言うと執金剛神像が100%の怒りなのに対して、増長天は、80%ぐらいに押えている感じが、逆に、仏像的には、優れているのか、と思った。邪鬼は、物凄く無理な姿勢で支えているのが、ユーモラスで面白かった。その後ろの広目天は、一番に人気のある像である。筆を持った、静謐な感じが、とても良く、四天王の中では、一番に良かった。右後ろの多聞天は、塔を支える腕が真っ直ぐで、清々しかった。右前の、持国天も、憤怒像だが、口を閉じているので、怒りを抑えているようにも思えた。どの像も、肩の袖口が、動物の顔に見えるのだが、係りの人によると、獅子が噛んでいる姿で、魔除けを意味している、との話だった。ちなみに、持国天の邪鬼が、一番に踏んづけられ大きな口を歪めているのが、面白かった。4像ともに、塑像で、客仏(もともとの戒壇院にも、四天王がいたが、金銅像だった)とのことだが、最近の調査では、法華堂にあったことが、ほぼ確定的である、とのことだった。結局、戒壇院の拝観は、我々二人だけだったが、早朝の拝観は、おすすめである。
戒壇院から、裏道を歩いていたら、写真家の入江泰吉の旧宅があることを知った。機会があれば、是非に、訪れたいと思った。奈良国立博物館は、旧館が仏像館になっていて、9:30きっかりに、扉があいた。カードが使えるというので、勢い込んで申し込んだら、シニアには無料の措置があって、拍子抜けした。目標は、国宝の薬師如来だったのだが、意外に地味な場所にあった。大きな像ではないのだが、蓮の台座から一木で彫られているそうで、蓮の花びらだけでも感動するが、如来像そのものも、とても良かった。写真では、大昔から知っていた仏像だったが、実物は、さすがに素晴らしかった。大きな眉と切れ長の眼は、写真と同じだが、真正面よりも、ちょっと下側から、拝観すると、半眼の眼が、比較的大きく見えて、正面とは、やや異なった表情が見えた。今度は、逆に、背伸びをして、上の方から拝観すると、とても穏やかな表情で、これも素晴らしかった。この仏像だけを拝観すれば、ことは足りたのだが、せっかくなので、他の像も一当たり観た。古い時代の、小さい仏像が、なかなか面白かった。もう一つは、東大寺の仏像の光背の残欠なのだが、彫られた像がなかなかいい素晴らしかった。もう一つだけ、印象に残ったのが、髪の長い十一面観音、少し前に、キプロス島に行って、アフロディーテを見てきたので、髪がビーナスと同じだ、と思って、ちょっぴり嬉しかった。結果的に、無料拝観になったので、ミュージアムショップへ行って、絵葉書や、小物入れを買って、博物館を出た。これにて、全ての予定が終わったので、駐車場に戻り、舘山寺へ向けての、ドライブだけになった。

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