南山城の寺、寿宝寺と観音寺 都の紅葉は散りぬるを物語②

 南山城の寿宝寺というお寺に拝観の予約をお願いしたら、この日の13:30ならば可能、という返事だったので、急遽ハンドルをUターンして、寿宝寺へ向かった。寿宝寺は、小さな寺で、境内にはこれまた小さな収蔵庫があった。
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中央に千手観音菩薩が、両側には明王系の仏もあったが、ほぼ100%観音様を拝観する結果になった。千手観音は、日本に三体ある本当に千の手を持つ千手観音の一つ、という事ばかりがクローズアップされてしまいがちになるが、実は、そんなことはどうでも良いぐらい、素晴らしい観音様だった。この仏は、もともと白木の仏様だったらしいが、護摩に燻られて精悍な黒色になっていた。お目は半眼で、唇の赤い色が目立っていて、密教仏らしくおどろおどろした感じが漂っていた。千の手は、しゃもじのような手をたくさん差し込んだ構造になっていた。ここまでは、写真で見たこともあるので、想定内だったのだが、収蔵庫の扉を閉じて、夜の照明にすると、衝撃が走った。あの、恐ろしい観音様が、とても慈悲深い観音様に変身してしまったのだ。これまで、いろいろな仏様を拝観したが、このような奥の深い表情は初めてだったので、とても参考になった。
 今回の旅の目的の一つである、観音寺十一面観音が近いので、ナビをセットすると、寿宝寺から3㎞の場所にあった。周りは、大学などで再開発されているらしいが、観音寺は田圃と里山のような場所にあり、なかなか雰囲気の良いお寺だった。
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この日は、土曜日ということもあり、多くの拝観者がいて、住職に流れるような説明をしていただいた。七体ある国宝の十一面観音では、聖林寺の観音と並んで木芯乾漆の天平仏とのことだった。収蔵庫の仏様ではなく、正真正銘の御本尊様なのだが、仏様の真ん前で、マジマジと鑑賞させてくれたので、こちらがどぎまぎしてしまったぐらいだった。寿宝寺の千手観音で、仏様の顔の奥の深さを知らされたばかりだったので、注意深く見せていただいたのだが、この観音様が一番素敵に見えたのは、ややひいて、普通にお祈りをするポジションから拝観したお顔だった。とても優しく、そして若々しく、こちらが嬉しくなってしまうような仏様だった。ただし、間近で鑑賞した時の、観音様の指もなかなか繊細な感じで良かった。
 国道24号線は、それなりに混んでいたが、15:40ぐらいには、駅前のホテルにチェックインすることが出来た。お昼が、ブランチ気味だったので、一休みして、街の方まで歩いて、早めの夕食をとることにした。前回も行った、猿沢の池の近くにある、平宗で名物の柿の葉鮨を食べた。寿司は大変おいしくて満足した。奈良町では、前回買い物をしたcottonの店で、今回も買い物をして、早めにホテルに戻って、早めに就寝した。

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