囲碁上達の秘策

 本当は、「囲碁研究Ⅲ」のタイトルにするつもりだったのだが、派手なタイトルにしてみた。囲碁は、神様からの贈り物と言われるが、奥の深さは、今のところ、コンピュータも、深く及ばないようだ。実は、ここのところ、断捨離の一環として、たまっていた、囲碁の雑誌や新聞などの切り抜きスクラップを、ようやくにして、キインエディターにまとめることができた。講座の部分は別にして、棋譜のまとめ方が、いろいろと面白かった。最初は、タイトル戦の名前のフォルダーを作って、そこに総譜を放り込んだ。次に、定石系の部分をカットして、定石のフォルダーに入れた。その後、手筋とか、消しやサバキの部分をカットして、中盤のフォルダーに入れたりしたのだが、そんなことをしているうちに、総譜を分割して、「次の一手」にする方法を思いついた。良く、雑誌の付録や、講座なので、一局の碁を教材にして、問題を出していることがあるが、それと同じである。それを自分の感覚で、問題にするのだが、この作業がとても楽しかった。並べていて、自分の感覚と違う場合や、感心する手、感動した手などを、どんどんと「次の一手」にして、そのファイルをつなぎ合わせて、総譜にする、という作業に没頭した。最初の内は、平凡な名前を付けていたのだが、石を一度ツケてから、ぱっと上にジャンプした手を「パリジャン」とたわむれに命名してみた。そのうちに、パリジャンがパリ野郎のことだと気が付いて、ついでなら、パリジェンヌも登場させよう、というあたりから、名前に凝りだした。もちろん、平凡な方が多いのだが、いくつか紹介してみる。第56期本因坊リーグの趙趙対決で、小手、青眼、大上段、下段の構え、と剣道シリーズが一番最初だった。同じ、56期のリーグで、若き張栩と羽根直樹戦は、確信、激烈、寸断、臨空と二字熟語でまとめたが、まだ四字熟語シリーズはない。この時の、最終予選で、張栩が大渕盛人と当たった碁は、ぬるま湯、適温、足湯、沸かし湯、追い炊き、と湯でまとめた。第57期本因坊挑戦手合い第2局、王銘エンと今は亡き、加藤正夫との熱戦は、とんぼ、働きアリ、こまねずみ、カメレオン、不死鳥、トカゲと動物シリーズでまとめた。第26期名人戦二次予選で、大豪大竹が、新鋭の河野臨を破った碁は、どろどろ、ちびちび、まだまだ、さてさて、はてはて、むなむなとまとめたが、それほど面白くはない。碁は頭脳の格闘技でもあるので、それらしい名前をつけたものもある。週刊碁の新初段シリーズである。柳九段が木部夏生初段に胸をかした碁は、脚けり、頭突き、足取り、張り手、ケタグリ、竹槍アタックとなっている。加藤充志九段が、田中信幸初段に胸をかした碁、地下攻撃、一階の攻防、中二階の攻防、屋根上争奪、庭園乱闘、とあるが、主に戦った場所なのだろう。さて、大昔あった、プロ十傑戦における石田秀芳と羽根泰正九段の激闘は、関節技、両手技、ハサミ技、凄技、ちょい技となっている。第48期王座戦第2局、趙治勲と王立誠戦は本当に面白いのだが、牽制球、二塁けん制、スローカーブ、超技巧派、直球勝負、攻守交代、リリーフエース、ホームスチールと、野球でまとめてみた。サッカーは、やはり国際戦ということで、第3回春蘭杯、日本の王立誠に対する韓国の曺九段の戦い、トウキック、名ボランチ、ドリブル攻撃、フェイントとまとめてみた。今までの最高傑作は、第32期名人戦リーグ、坂井九段と彦坂九段の碁である。ピノキオ、豆の木ジャック、一寸法師、アリとキリギリス、牛若丸、お化け屋敷と童話風にまとめてみた。
 タイトルが上達の秘策だが、古来強くなるには、三つの組み合わせが良いようだ。一に棋譜並べ、二に詰碁、三に実戦のバランスである。自分の秘策は、棋譜並べの秘策だが、今後は、詰碁もキインエディターで、整理してみようと思っている。今のところ、実戦から遠ざかっているが、3分の1目ほどは強くなったような気がする。囲碁も、ある程度、温度差があり、棋譜も熱心な時期のものだけあるのだが、最初が往年の名スターの時代である。坂田とか高川とかに始まる。次が、木谷門VS林海峯の時代だろうか。武宮九段が白番で快勝した碁などは、ドキドキ感がある。その次が、昭和四天王の時代で、若き四天王の棋譜が面白い。実は、個人のフォルダーが3人だけある。秀策と呉師と井山の3人である。どれも、ほとんど未整理で、楽しむのはもっと先になりそうである。もう一つだけ、秘策を授ける。「囲碁の言葉」である。格言は有名だが、いろいろな場面で、プロがふともらし、気になった言葉をメモする、というものである。先ほどの武宮解説でいえば「囲碁には、必ず一長一短がある」と話していたが、案外名言のひとつかもしれない。では、この囲碁の言葉で、第一号を紹介してみる。加藤正夫の言葉。「プロは、対局中常に『眼』というものにこだわっている。『地』ではなく『眼』にこだわる」

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