積極的平和と大国主義
この度、半藤氏がめでたく菊池寛賞をいただいたそうで、おめでとうございます。ところで、彼の「あの戦争と日本人」は、とりあえず読み終えて、現在、中身を整理中である。安倍氏の「一億総活躍」が、あの戦争末期の「一億総特攻」と重なって、ぎょっとしたのだが、今度は、前々から彼が言っている「積極的平和主義」によく似た言葉を、またまた見つけ出して、またまたぎょっ、としてしまった。「積極的平和」によく似た言葉は、日露戦争が終わって、これからどのような国にすべきか、日本が考えなければならなかった明治40年に、山形有朋が「攻撃的国防論」というものを述べている。日本が取るべき道は、軍備を拡張する「大国日本主義」と、国際協調と貿易を中心とする「小国日本主義」の二つがあるのだが、山形が、「攻撃的国防論」で主張したのは、大日本主義だった。ただ、この時、ロシアとアメリカと言う、二つの仮想敵国を作って、それを「真正敵国」に育て上げてしまった。結局、あの戦争まで突っ走って、破たんしてしまったわけである。戦後日本は、好むと好まざるとにかかわらず「小国日本主義」で、繁栄を極めたような気がするのだが、どうも、安倍氏の「積極的平和主義」と言うのは、もとの「大国日本主義」の臭いがぷんぷんと臭ってきて、何となく嫌な予感がする。しかし TPPは、どちらかといえば、国際協調と貿易が主眼なので、その意味では良かったと思うのだが、何が何でも、世界の風上に立ちたい、と言うのであれば、微妙な話となる。そのどちらにも、Cという仮想敵国の影がチラチラしているのは、不気味である。
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