フィリップス・コレンション展

 シャルダンからピカソまで、ヨーロッパ近代画を網羅する、フィリップスコレクションの展覧会だった。照明が比較的明るくて、観やすい展覧会だった。大美術館の展覧会とは違って、駄作が比較的少なく、レベル的にも、高いコレクションだと思った。
 1「プラムを盛った鉢と桃、水差し」(シャルダン) シャルダンは、久しぶりに観るが、それだけで、うれしくなるような感じがした。水差しの縁が、リアルだった。 2「聖ペテロの悔恨」(ゴヤ) ちょっと見には、乞食をモデルにしたのかと思ったが、タイトルを見たら、聖ペテロだった。指の節くれが凄かった。 3「水浴の女」(アングル) 何枚も同じモチーフの絵を描いているので、おなじみの感じだが、後ろの人物が、面白かった。 4「パガニーニ」(ドラクロア) 一見すると、ピエロかと思うが、パガニーニの絶芸的な雰囲気が出ていて、良かった。 8「ジェンツァーノの眺め」(コロー)
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 イタリアの午後の光が、とてもよく表現されていた。 9「ムーティエの岩山」(クールベ) クールベの風景画である。岩肌の表現が、セザンヌ的だったのが、面白かった。 10「地中海」(クールベ) 緑色の海の色が、瀬戸内海を思い起こした。白波が泡のように表現されていた。 11「蜂起」(ドーミエ) ドラクロアの「自由の女神」を彷彿させるような、情熱的な絵だった。白い身なりと、白い髪が神々しかった。 12「三人の法律家」(ドーミエ) こちらの方が、ドーミエらしい、ポンチ絵のようで、表情が楽しかった。 14「スタウア河畔の眺め」(コンスタンブル) 荒っぽいタッチの絵で、印象派よりも、印象派のような絵だった。 15「ルーヴェシエンヌの雪」(シスレー) 一見したところで、モネ作かと思ったら、シスレーだった。寒々しさが、よく表現されていた。 16「ヴェトゥイユへの道」(モネ) 今度は、15作とは真逆で、一見すると、シスレー作かと思ったら、モネだった。二人は、印象派の代表的な画家なのだろうが、この間違いの感覚が面白かった。さわやかな絵だった。 18「アルル公園の入り口」(ゴッホ) ゴッホの絵は、相当観ているはずだが、初めての絵だった。ゴッホの、うきうきした感じが、絵によく出ていた。黄色い道路も、印象的だった。 19「石割り人夫」(スーラ) 珍品と言うべき絵で、まるでクールベか、と思った。 20「道路工夫」(ゴッホ) こちらも、初見の絵。いかにも、現場画家の、面目躍如という感じがした。ふてふてぶしぃ幹もすごいが、背景の赤い建物が、気になった。 23「自画像」(セザンヌ) セザンヌには、30数点の自画像があるらしいが、恐らく、傑作の一枚だと思う。顔やおでこの、肌の表現が、凄かった。 24「花束」(モナティセリ) 厚塗りで、ゴッホに影響を与えた画家として有名だが、なぜか、三岸節子の絵を思い出した。 25「ザクロと洋梨のあるショウガ壺」(セザンヌ) おっこつそうなナプキンなど、いかにもセザンヌらしい絵だった。後ろの、カーテンみたいなものが、気になった。 26「新聞」(ヴァイヤール) 横長の枝が、妙に立体感があった。 27「二人の少女」(モリゾ) フィリップコレクションに、モリゾの絵があるだけで、うれしくなった。 29「稽古する踊り子」(ドガ) 大作である。オレンジ色の壁と、青白しバレエの衣装が、素晴らしかった。 34「ノートル・ダム」(アンリ・ルソー) 赤旗と帽子の男が印象的で、記憶の絵かと思った。 36「犬を抱く女」(ボナール)
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 強烈な赤と白のストライプだった。瓶と犬と柱とが、一直線で、面白かった。 40「画家のアトリエ」(デュフィ) 大作で、バラバラした感じの絵だが、良い絵だった。なぜか、マチスを感じた。 41「サン=ミシェル河岸のアトリエ」(マティス) マティスのご機嫌さが、伝わってくるような絵だった。窓の立体感が、凄かった。やはり、セザンヌを感じた。 49「機械工場」(ジャック・ヴィヨン) 知らない画家だったが、赤い床など、とても良かった。ある意味、抽象画のような要素もあった。 51「ロッテ・フランツォスの肖像」(ココシュカ) モデルへの愛情が感じられるような絵だった。手の表現が印象的だった。 52「白い縁のある絵のための下絵」(カンディンスキー) 純粋な抽象画よりも、このような絵が良い。赤と白のクレムリンが良かった。 57「ヴェルレーヌ」(ルオー) 大作なので、少し離れた方が良かった。聖母子も良かった。 58「嵐の後の下校」(スーティン) なぜか、絵なのに、俳句を感じてしまった。タイトルの雰囲気が、よく表現されていた。 59「養樹園」(クレー) 象形文字のようなデザインと、色合いが、とても良かった。63「横たわる人」(ピカソ) 特別に、傑作とも思えないのだが、人物をパーツごとに表現していて、面白かった。

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