正しい日本百名山

 深田久弥氏の「日本百名山」に、正しいも正しくないも、ないとは思うのだが、結構巷には、偽りの「日本百名山」も出回っているようだ。ただし、「日本百名山」には、深田が、山名にこだわった(たとえば、羊蹄山という山名が、定着しているにも関わらず、後方羊蹄山という山名にこだわっているなど)割に、利尻山が、利尻岳になっていたり、本文は「大菩薩岳」なのに、目次と表紙裏の地図には「大菩薩嶺」となっていて、「日本百名山」の山名そのものが、迷走している。所詮、その程度の本(そもそも、深田は、中里介山の「大菩薩峠」が「大菩薩岳」と勘違いしたか、誤植)と割切ってしまえば、それで良いのだが、すでに、深田の思惑を遠く離れて、「日本百名山」はすっかりカリスマとして、定着してしまった。
 ところで、百名山を、百%その通りに追体験するとなると、深田の歩いたコースと、同じコースを歩くべきなのだろうが、今のところ、そのような報告はない。したがって、百名山の踏破は、本文を熟読して、深田の気持ちを推し量った場所をその人なりに解釈して歩くのが、次善の策かと、自分的には思っている。先日、百名山の好きなNHKで「グレイトトラバース」という百名山一筆書き、の番組があった。ネットで調べてみたら、現在進行形の試みで、全てを人力でつないで踏破する、という、途方もないビッグプロジェクトだった。しかも、百名山を、短時間で登った、と称する試みよりも、真摯的な試みとして、好感が持てた。というのも、単なるピークハンターではないことと、登山禁止の場所には、足を踏み入れない、「正しい」日本百名山に挑戦しる様子が、これまでのところ分かったからだ。たとえば、霧島山に関して、高千穂峰に登ったことだった。今日、偽りの「日本百名山」は、韓国岳を百名山としてカウントしている(確か、二百名山という選定があるが、これに高千穂峰をカウントしていることから見ても、?の選定である)むきもあるが、深田の「日本百名山」を精読する限り、霧島山のアイデンティティが高千穂峰にあることは、まぎれもない事実である。グレイトトラバースでは、そのことを尊重していて、好感が持てた。大山では、剣ヶ峰は、最高峰ではあるが、登山禁止であり、弥山が山頂とされている。大山では、そのように「正しく」登山していた。もう一つ、九重山で、悪天候を回避して、「正しく」翌日に登っていたのも、好感が持てた。今後、どのように登るのか、注目すべきは、大峰山、那須岳、平ヶ岳、大雪山、飯豊山などなど、楽しみにしている。
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 ここからは、まったくの余談である。深田が宮之浦岳に登ったのは、本を出版してから、さらに25年も昔のことである。縄文杉が「発見」されたのは、最近のことなので、当時の深田が、縄文杉を知らなかったのは、当然なのだが、惜しむらくは、山の名前を、ピークの名称である宮之浦岳ではなくて、八重岳にしなかったことだ。九重山、大峰山、八ヶ岳、那須岳、大雪山など、ほとんどの場合、ピーク名ではなくて、山の総称を「百名山」の名前にしているので、残念な気がする。沖縄には、八重山があるのだから、もし深田が、八重岳を使っていれば、こちらの方がビックネームになっていたに相違ないので、残念である。

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