オルセー美術館展in新国

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 国立新美術館でやっている「オルセー美術館展」へ行ってきた。サブタイトルが、「印象派の誕生」ということだが、休日モードの8月12日にもかかわらず、比較的ゆっくりと鑑賞することが出来て良かった。おそらくは、オルセーの印象派は、東京には何度も来日しているので、中高年の「美術愛好家」が、何となく、食傷気味なのと、看板少年のマネの笛吹童子も、見たことがあるしな、という感じなのだろうと、推察した。しかし、名画は、何度見ても新しい発見があり、2度目の旅がつまらないか、面白いか、ぐらいの違いがあって、とても良かった。
 1章 マネ、新しい絵画 1「笛を吹く少年」(マネ)正直に言うと、マネは、それほど好きな画家ではないのだが、笛吹童子は、なかなか良かった。良く教科書にも載っていて、自分的には、「ジャポニズム展」や、オルセーそのものでも見た記憶がある。背景が、灰色一色なのが、浮世絵の影響、と聞いたことがあった。それはともかくとして、上半身が黒、下半身が赤というくっきりとした配色は、とても心地よく、何よりも赤いズボンの黒い枠が、とてもすっきりして、気持ち良い作品だった。
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 3「ピアノを弾くマネ夫人」(マネ)白い横顔が、マネの作品らしかった。
 2章 レアリスムの諸相 8「晩鐘」(ミレー)日本には何度も来ているのだが、この絵を見て、雷に打たれたような感動したのは、オルセーの、暗い部屋で、観た時だった。絵を観て感動したことの、恐らくはベスト10には、確実に入るような、感動だった。このような絵は、理屈や説明は、むしろ無用に思われた。今回は、その他大勢と並んでいたのと、照明がやや明るすぎたので、まったく同じような感動、というわけにはいかなかったが、今回の、展覧会では、ドキドキ感を覚えた作品の一つだった。何よりも、茜色の雲が良かった。少々明るいので、手押し車や、籠なども鑑賞できたが、そんなことよりも、絵から受ける凄みの方が、大切だと思う。本当は、個室で、もう少し暗い方が良いのだが、今の日本でやるとすれば、山梨県立美術館でぜひ、実現してほしい。 9「パリ近郊の農家の中庭」(コロー)コローといえば、村山美術館から、フランスの国宝として、フランスに帰ってしまった名画を、もう一度見たかったのが残念である。コローは、人柄が良いのか、意外と明るい絵に感じる。中でも、小さい子どもが、想像の中で、とても可愛く思われた。 15「ジャン=ル=ボアトゥーの家族、ブルズヌーの農民たち」(ジャン=フランソワ・ラファエリ)今回、ゴッホはなかったのだが、ゴッホが好きで、生涯会えなかった画家というのは、この人なのだろうか。二人の農婦の白いベールが、印象的だった。 16「床に鉋をかける人々」(カイユボット)印象派の、スポンサーのようなカイユボットだが、画家としてのカイユボットも素晴らしい。今回は、床の後ろの、窓の造形に魅せられてしまった。17「闘技者たち」(アレクサンドル・ファルギエール)相撲の絵といっても良いような絵。おそらくは、北斎漫画の影響があるのだろう。
 3章 歴史画 23「ベルュスの婚約者」(アンリ・ポール・モット)歴史画というよりは、おどろおどろしい神話の中の画で、漫画チックにも思えた。白い裸体の女性は、生贄らしい。
 4章 裸体 24「ダンテとウェルギウス」(ブグロー)手前の若い男女の裸体がテーマなのだろうが、後ろのダンテに魅入ってしまった。 25「ヴィーナスの誕生」(カパネル)オルセーに行った時、とても目立つ場所にあり、思わず魅入った思い出がある。今回、落ち着いて絵を観賞してみたら、絵柄の内容が、ヴィーナスの誕生だよな、と思って題名を見たら、やはりその通りだった。オルセーでは、日本語の看板説明はないので、純粋に自分の右脳で鑑賞するのだが、日本語があると、ついつい左脳が邪魔をしてしまう。その意味では、題名より、鑑賞が先で良かった。 27「イアソン」(モロー)モローらしい、妖しげな作品である。上には宝石が輝き、足元には、怪鳥を踏んづけている。 29「横たわる裸婦」何となく遠目から眺めて、存在感が光っていた作品だった。作者名を見て、びっくり、あの敬虔な「晩鐘」を描いたミレーの作品だった。あの神々しさから考えて、彼にとって女性は女神だったのだろう。 31「牧歌」(セザンヌ) 日本画でいえば、いわゆる習作にあたる画で、それぞれの裸体が、バラバラに描かれているところが、面白かった。
 5章 印象派の風景 32「かささぎ」(モネ)モネの傑作のひとつである。かささぎは、小さく描かれているのに、存在感がすごい。手前の、光の表現や、後ろの木々の表現も素晴らしかった。 33「白い霜」(ピサロ)雪の画かと思ったら、タイトルを見ると、霜の画らしい。かの影と光との表現が、素晴らしかった。 37「首吊りの家」(セザンヌ)セザンヌの名作の一つだが、今回は、後ろの景色をじっくり見られて良かった。 40「イギリス種のナシの木」(ルノワール)たかが、一本の樹の画だが、そのぼんやりとした種々の緑色が好もしい。空と雲も素敵だし、人物がいるのも、ルノワールらしくて良い。 41「ローヴシエンヌの道」(シスレー)手前の樹も、中の風景も良かった。 45「アルジャントゥイユの船着き場」(モネ)ちょっとにぎやかすぎる画だが、それが当時の雰囲気なのだろう。雲が素晴らしい。 46「アルジャントゥイユのレガッタ」(モネ)ゆらゆらが印象的だった。 47「洪水の中のボート」(シスレー)有名な絵である。洪水なのに、暗さが感じないのが、面白い。 48「ジャンロゼーヌのセーヌ川」(ルノワール)とても風を感じる絵である。 49「レタックから望むマルセイユ湾」(セザンヌ)オルセーで、変形の絵葉書を買った記憶がある。懐かし感でいっぱいだった。
  6章 静物 55「スープ入れのある静物」(セザンヌ)絵の評価、というよりは、スープ入れの表現が、蓋は斜め上から、下部は真横から描いているのに、妙に感心してしまった。
 7章 肖像画 58「ゴーディベール夫人の肖像」(モネ)肖像画とのことだが、横顔で、スカートの表現の方が素晴らしく感じた。 59「手袋の婦人」(カルロス=デュラン)夫人がモデルらしいが、そんな感じがしない。解説では、ベラスケスの影響、とあったが、個人的には、ゴヤを連想してしまった。  66「ダラス夫人」ルノワールの、肖像画の傑作と思う。ベールがあるのに、気にならない。今回は、帽子を観賞させてもらった。 69「自画像」(セザンヌ)溶け込んだバラ色が面白い。 70「死の床のカミーユ」(モネ)以前にも見たことはあるのだが、今回が一番感動した。カミーユが、花嫁としてウエディングドレスをまとっているように感じた。
 8章 近代生活 72「競馬場」(ドガ)中景の馬が、素晴らしい。 74「ゆりかご」(モリゾ)モリゾの愛情が感じられる。今回は、可愛い赤ちゃんも鑑賞できた。 75「アパルトマンの一隅」(モネ)珍しい、室内の風景画だった。室内の青さが印象的だった。
 9章 円熟期のマネ 80「婦人と団扇」(マネ)団扇が主人公のようだった。 84「ロシュフォールの逃亡」(マネ)地中海の海の色にも思えるが、こういうテーマの画を描いたことが、マネの値打ちなのだろうと思う。

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