日本国宝展in東博

 今回の国宝展は、目玉作品が少ないのか、二日目にしては、ガラガラとは言わないが、比較的空いていて、ゆっくり鑑賞できて良かった。
 第一章 仏を信じる 1「仏足石」(薬師寺)きれいに磨かれて、きれいになっていたので、びっくりした。ただし、鑑賞的には、拓本の方が素晴らしかった。 2「玉虫厨子」(法隆寺)シルクロードを見学してから、この作品を見ると、奈良がシルクロードの終着点ということを強く感じる。 15「片輪車蒔絵螺鈿手箱」(東博)何も知らないと、江戸時代のものかと思ってしまうが、平安時代の名品である。角度によって、螺鈿の車輪が輝いて見えて、とても良かった。 22「金銀鍍宝相華唐草透彫華鬘」(滋賀・神照寺)国宝展ではおなじみの作である。今回は、制作時代を特定していた。やはり、平安時代のものが、優美で気品があって良かった。 26「一字蓮台法華経 普賢菩薩発品」(大和文華館)蓮の華の上に、一字一字が丁寧に書かれていた。 35「仏涅槃図」(金剛峰寺)今回、最古にして最高傑作の作品が何点かあったが、これも最古にして最高の涅槃図である。後世の涅槃図のように、薬袋はないが、沙羅双樹が中央に描かれているのが、珍しく思った。枕元にいる美男子の僧が阿難かと思ったら、地蔵菩薩とのことである。もっともそばにいるのが、弥勒菩薩で、彼は将来の如来である。弥勒が現れるまで、この世を導いてくれるのが、お地蔵様であるらしい。上空の女性が、キリスト教でいえばマリアにあたる麻耶夫人らしい。実に優美で、典雅な涅槃図だった。 36「十二天 帝釈天」(京博)次の日に、柴又帝釈天を訪れる予定だったので、親しみを込めて拝観した。 37「孔雀明王図」(東博)孔雀の羽根が、完全な後背になっているのが、面白かった。また、孔雀の眼がきょとんとしていて愛嬌がある。それはそれとして、きれいな仏画である。 38「普賢菩薩」(東博)こちらも、双璧をなす、鮮麗な仏画である。こちらの象さんの眼は、実に凛凛しかった。 43「金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図」(中尊寺)数年前に、中尊寺で、特別拝観をして、感激した覚えがある。金字で宝塔を描き切っているのが素晴らしい。 44「雲中供養菩薩」(平等院)今回は、南14号と北13号がお出ましになっていた。いつも、どの供養菩薩様が、一番美人か、考えてしまう。
 第二章 神を信じる 45「土偶 縄文のビーナス」(茅野市)発見は、比較的新しいが、あっという間に、国宝にまで上り詰めた土偶ちゃんである。世界遺産にしたいような、見事なフォルムである。 50「銅鐸」(東博)伝香川県出土の銅鐸で、教科書に載っていたので、懐かしかった。 銅鐸では、定番の神戸市博のものと、出雲で大量に出土した銅鐸も出品されていた。 53「内行花文鏡」(九博保管)魏志倭人伝の伊都国に想定されている平原遺跡出土のものだが、その大きさに驚いた。 55「沖ノ島祭祀遺跡出土品」(宗像大社)さる方から、ぜひ観に行くように、と言われている品々の一部である。海の正倉院と言われたことが、実感できる品々である。 56「山科西野山古墳出土品」(京大博)黄金のバックルに、魅了された。58「太刀 銘国宗」(日光東照宮)刀にはあまり興味はないのだが、実に優美なそりの太刀だった。
 第三章 文学、記録にみる信仰 66「類聚国史」(東北大図書館)金の地模様が素晴らしかった。 67「源氏物語絵巻」(徳川美術館)これも、国宝展ではなじみの品目である。今回は、柏木(二)が出品されていた。微妙な緊張感が感じられた。 69「信貴山縁起絵巻」これも、国宝展では、おなじみか。しかし、まんが大国日本の、底力を表している、大作とみる。実にずばらしい、アでサバキで、感激した。今回は、尼公の巻で、有名な大仏の場面があった。大仏のおそばで、尼公が、必死で祈っている姿が、とても良かった。 70「寝覚物語絵巻」(大和文華館)さりげない人物描写や、枝のくねくね感が面白かった。 
 第四章 多様化する信仰と美 94「一遍上人伝絵巻」(東博)今回は巻第七が出品されていた。いわゆる、踊念仏の場面が有名である。申し訳ないが、隣に、法然上人絵巻が並べられていて、確かに法然の方が立派なのだが、画の筆力は、格段の差があり、一遍上人の方が素晴らしかった。目録によると、法眼円伊筆とあったのだが、どのような人だったのだろうか。 96「花鳥図」(狩野永徳)大徳寺塔頭聚光院の襖絵である。右側のほうが、彼らしく、力強かった。聚光院では、通常レプリカしか見られないので、貴重な機会だった。 97「松に秋草図」(長谷川等伯)たまたま、前夜、BSの番組(英雄の選択)で、観たばかりのタイミングなので、興味深かった。以前、智積院で、実物を見た時には、桃山期らしい派手な作品と思ったのだが、実際は、秀吉が捨松の霊を弔うための画なので、華やかさはあるが、色調は抑えているとも感じた。むくげの感じが、鎮魂の画らしく良かった。 99「慶長遣欧使節関係資料」(仙台博物館)ユネスコの記憶遺産に指定されたものである。常長は、敬虔な感じだった。 102「禅機図断簡 寒山拾得」(東博)元時代、因陀羅筆とある。二人の、ヘアスタイルの違いが、面白いと思った。 106「虚堂智愚墨跡 法語」書は、よく分からないが、文字から踊るような感じを受けた。  108「飛青磁花生」(大阪市立東洋磁器美術館)しばらくうっとりとして、魅入った。個人的なベストポジションは、ややかがんで、下の方から見上げるように観た時である。今思っても、鳥肌の立つ、素晴らしい造形だった。 110「大井戸茶碗」(京都・弧蓬庵)朝鮮の雑器だが、国宝に仕立てたのだから、シンデレラボーイである。 111「志野茶碗 銘卯の花墻」(三井記念美術館)個人的には、抽象画のように感じるのだが。
 第五章 仏のすがた 今回の、仏様たちは、ほとんどが脇役ばかりなので、ひょっとして、いまいち、人気に陰りがあるのではないかと、心配になるのだが、脇役には、それなりの渋さもあって、それなりに良かった。 112「広目天立像」(法隆寺)いつもは、暗がりにいるので、目立たないが、明るい場所に来てみると、意外にイケメンで、今まで感じていたよりも、良い仏像だった。個人的な話だが、日本の「百仏」というものを、考えている。数ある広目天様の中では、この法隆寺金堂の広目天を、百仏に選定していたのだが、今回、この仏様に、じっくり対面して、自分の「机上論眼力」もなかなか、バカにしたものではないと、自分を少々ほめたくなった。異国風のお顔も良いが、マントのスタイルもなかなかユニークで、気に入った。そして、一番のお気に入りは、邪鬼かもしれない。 115「普賢菩薩騎象像」(大原集古館) 民間にある貴重な国宝仏である。いつもは、地味な場所にいるので、少し誇らしげに感じた。仏様の顔も素晴らしいが、何と言うか、象さんの誇らしげな感じが、とても良かった。 116「観音菩薩坐像・勢至菩薩坐像」(三千院)久しく、大原三千院にも行っていないが、観音様と勢至さまとが、こちらに来てくれた。狭いところに、お座りになっている感じがしたが、やはりなかなか大柄な仏様だった。大和座りで有名なのだが、今から衆生を救いに行く、瞬間の姿とも言われている。そういえば、どっしりと坐っている感じではなかった。 118「善財童子立像」(阿倍文殊院)新国宝で、今回唯一の鎌倉仏像。文殊菩薩眷属の一人である、善財童子。立像だが、完全な横向きの姿で、軽やかに速足で歩いている感じが、すがすがしくて良い。
 特別出品 正倉院宝物 S02「鳥毛立女屏風」お顔がきれいに残されていて良かった。
画像
 S04「楓蘇芳染螺鈿槽琵琶」4弦の琵琶である。表側の画も、素晴らしいが、裏側の工芸は、言葉に尽くせぬぐらいの素晴らしさだった。

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