おおかみ ソーリー

 アベ総理は、以前から、当ブログで指摘したとおりに、増税の再延期を発表した。そもそも、国民の認識は、「アベノミクスは道半ば」「増税再延期に賛成」らしいので、甚だ、まことにおめでたい話である。ただし、アベ氏が目論んでいた、「増税再延期、W選挙⇒3分の2確保」大作戦は、微妙に齟齬を来たしたことも、事実である。よってアベ氏の修正大作戦は、どうやら、「おおさか維新を取り込んでの、3分の2」大作戦に、変更されたようである。このことは、今回の不信任案の採決や、再延期後の、おおさか維新のコメントで、はっきりとした。政局は、W選挙が、あろうとなかろうと、おおさか維新を含めた「大与党」が、3分の2を取るか、阻止するかの、1点に絞られた。増税再延期は、2年半という、次の3年後参議院選挙後に行うという、姑息な時期だが、再延期にはかかわりなく、3年後には「大与党」が議席を減らすことは、眼に見えている。だとすれば、アベ氏が、3分の2を確保する、ラストチャンスは、今回の参議院選挙に追い込まれた、と言うことになりそうだ。事実、アベ総理の眼力も、1年半前に、国民に対して、大見得を切った時よりは、心なしか、虚ろに見えてしまった。
 アベ氏自身の言葉、および彼の応援団であるY新聞によれば、「アベノミクスのエンジンをもう一度、最大限にふかしていく」ことらしい。しかし、その内容は、G7サミットでも明らかにされたように、財政出動をすることに尽きるようだ。アベ氏は、言葉巧みに、いろいろな表現を駆使するのだろうが、はっきりしていることは2つあり、一つは、財政出動は、G7においては、お墨付きを得られなかった、という事実と、財政出動は、小泉政権以来、日本の政策から遠ざけられていた、古い古い自民党時代の、カビが生えたような、古い「政策」だ、と言うことである。そもそも、アベノミクスは、第一の矢「大胆な金融政策」で、円安を誘導して、円ベースによる経済の活発化で、時間を稼ぎ、つなぎの政策として、第二の矢「機動的な財政出動」を行い、経済成長につなげる予定だった。しかし、第三の矢「民間投資を喚起する成長戦略」はまったく機能せずに、見事に大失敗した。これを取り繕う形で登場したのが、「一億総活躍社会」という虚ろな表現であり、、内容は第三の矢とまったく同じである。言い得て「妙」だと思ったのが、盟友のK党の山口党首が、「アベノミクスは大失敗ではない」と明言したことだった。このことの意味は、大失敗ではないが、少なくとも、失敗ないし、成功ではなかった、ということになる。アベ氏は、6月1日の「増税再延期」演説で、アベノミクス「成功」の理由として、求人倍率が向上したことを、もっともらしく説明していた。しかし、数字大好きのアベ総理が、このようなデータしか「成功」の数字として発表できなかったことは、逆に言えば、失敗の証明と、言えなくもない。本来ならば、株価上昇を、得意満面としてとして発表したかったのだが、当日の株価も、横っ面をひっぱたくような、下落だった。そもそも人手不足は、人口の異常減少、とりわけ労働人口の減少によるところが大きい。たまたま、団塊世代のリタイアの時期に遭遇しただけで、アベノミクスの成果でも何でもない。
 アベノミクス失敗の最大の理由は、素人の自分から言わせてもらえば、円安に誘導して、外国(つまり輸出)や外国人(観光客)に余りにも依存した政策だったからである。だから、当ブログでは、アベノミクスを、アベノバクチと揶揄したこともある。たまたま、チャイニーズの爆買いがブームになり、それなりの「成果」は得られたのだが、所詮、このような施策は、水ものであり、他人任せの、博打みたいなものである。言ってみれば、博打に失敗したツケを、外国の所為にしているのだから、開いた口が塞がらない。「内需を腰折れしかねない」から増税再延期するというのだが、そもそも、内需を拡大することができなかっただけの、単純明快な話しである。経済政策の本道本筋は、国内消費の拡大に尽きる。理想的には、中間層と言われるコアを大きくして、この人たちの消費を増やすのが本道本筋なのだが、小泉政権以来のJ党政権は、構造改革の名の下で、この層を限りなく薄っぺらにしてきた。これは国民、その中でも、比較的若者が政治に責任を果たさず、シニア優先の国家になってしまったことにも、原因はあると思う。しかし、無いものねだりしても仕方がない。この国の、喫緊の課題は、人口問題である。一億総活躍社会は、逃げの政策である。言われなくても、国民は必死なのである。
 タイトルは「おおかみソーリー」としたが、総理の演説を聞いていて、ふと思い出したのが「狼少年」のことだった。断言したことを、謝り(ソーリー)もしないで、「新しい判断」などと誤魔化すのは、今話題のマスゾエ氏よりもたちが悪いと思った。マスゾエ氏は、重箱の隅をほじくるような細かい話で、かつ、彼なりに反省しているのだが、ソーリの方は、反省もしないし、被害者は国家国民なのだから、深刻である。しかも、現在よりも、未来の日本国民の話なのである。嘘はついても、選挙で勝てば、「禊」ですというのでは、余りにも国民をばかにしている。しかし、国民の認識は、冒頭の話だから、どちらもどちらか。しかし、ことは深刻である。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック