毘沙門堂、安祥寺 敦賀・京都紅葉紀行③

 2日目(11月25日)  敦賀から京都までのルートは、三つあった。一つは、信長が戦い(金ヶ崎の戦い)に敗れ、京都に逃げ帰った山道のルート。ここは、司馬遼太郎が、「街道をゆく」で旅したルートなので、一番に興味深いルートなのだが、天気予報が、雨交じりだったので、敬遠した。二つ目は、琵琶湖西岸を南下する一般道のルートなのだが、せっかくの紅葉の季節なので、高速でぶっ飛ばして、京都へ急ぐことにした。途中で、意外に思ったのが、米原からは、京都よりも、名古屋の方が近い、という事実だった。京都東ICを下りて(9:15)、毘沙門天のPに着いたのは、ほぼ9:30だった。この時期、無料の臨時Pが開設されていることは、情報で調べていたのだが、門前までの道が狭く、この問題さえクリアできれば、車で参観することは可能なのだが、お勧めは出来ない。もともと、毘沙門堂は、紅葉の名所DSC00018参道紅葉.JPGとして、有名なのだが、今年は、天皇陛下御即位を記念して、山科の特別公開をしているのが、決め手の参拝だった。早速、本堂に上がったDSC00012晩翠園の紅葉.JPGのだが、毘沙門天は、333年に1回しか開帳しない秘仏なので、今回も、坐像の画を見せてもらっただけだった。延暦寺本尊の余材で、最澄が手彫りしたものなので、こじんまりした像らしいことは、分かった。この寺は、門跡でもあるらしく、御所の建物を移築したらしい(宸殿)のだが、襖絵がトリックアートになっていて、面白かった。観る角度が違うと、景色が違って見える、というもので、このからくりが、何種類もあった。これに感動した円山応挙が描いた、鯉の杉戸絵があり、鯉がスリムになったり、太ったり変化して見えた。見学の途中では、ドウダンツツジの紅葉が、本当に燃えるようで、美しかった。DSC00016高台弁財天.JPG毘沙門堂の紅葉は、勅使門の参道が散紅葉の名所なのだが、通行を禁止していないので、撮影は難しそうである。せっかくなので、同じく山科の特別公開をやっている安祥寺まで、足を延ばすことにした。琵琶湖疏水を右に折れる、というルートを聞いて、歩き出したのだが、途中で、車が大渋滞していた。琵琶湖疏水は、街中の下のところは、何度も見たことはあるのだが、南禅寺から上流の疎水を見るのは、初めてだった。DSC00028琵琶湖疎水.JPG安祥寺は、Pのない寺なので、歩いてきて良かった。DSC00026安祥寺.JPG昔(平安後期)には、堂宇700を超える大伽藍の寺だったらしいのだが、現在は衰微し、国宝五智如来のあった、多宝塔跡は、見る影もない荒れようだが、本尊の十一面観音像は、素晴らしかった。黒い漆で磨かれたような観音様は、パッと目には、薬師寺のブロンズの観音様にも似ているように思ったが、足もとなどを良く見ると、金箔が取れて、このような感じになっているらしかった。解説では、奈良時代に遡る木造一木造の仏像らしいが、腰高で、八頭身のプロポーションのすばらしさは、とても一木造には思えず、とても驚嘆した。まさに、ミューズと言っても、過言ではない、素敵な仏像だった。一応の、「仏像通」を気取っていた自分には、存在を知らなかった十一面観音像なのだが、この観音様が、世間にデビューしたのは、21世紀になった、2010年の、奈良博での「大遣唐使展」で、重文になったのは、その翌年のことらしい。関東在住の、自分にとって、知らなかったのも、無理はないのだが、紅葉狩りのついでに、拝観するような仏像ではなく、仏像ファンならば、これを目的に訪ねるぐらいの、立派なもので、学問的にも貴重な仏像なのではないかと思った。機会があれば、京都博に寄託されている、五智如来も拝観したいものだ。

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